米国防総省は5月、中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)と中興通訊(ZTE)の携帯電話などを、世界各地の米軍基地内で販売することを禁止すると発表した。米連邦政府職員や公務員は、事実上、両社製品の使用を禁じられているとされる。
議会で「中国制裁」を騒いでいるのは、何も共和党の対中強硬派だけではない。民主党のチャック・シューマー上院議員(ニューヨーク州)や、同党のナンシー・ペロシ下院院内総務(カリフォルニア州)など、どちらかといえば、リベラルな議員の方が過激である。
驚くべし。米国連邦議会の方が、ドナルド・トランプ大統領より対中強硬なのである。
「○○○に死を」「○○○の棺おけの蓋を早く閉めろ」などと叫んでいる。
米商務省は4月、ZTEがイランへの輸出規制に違反したとして、米企業がZTEに部品(=半導体企業のチップ)などを輸出することを7年間にわたって禁じる制裁を発動した。過去数年、制裁対象となっていた通信設備を、イランに極秘売却していたことが米国の怒りに触れたのだ。
慌てた中国の必死の叫び(=『このままではZTEが倒産する』)により、トランプ政権は14億ドル(約1556億円)の罰金を科して米国市場で再開を許可した。
連邦政府が禁じても、民間企業や非政府系の米国人は、ファーウェイやZTEの製品を購入する。ファーウェイの携帯電話、スマホは安いことが魅力で、米国市場で売れている。ZTEは世界市場で、ファーウェイ、エリクソン、ノキアと並ぶ、屈指の通信機器メーカーだ。ソフトパワーの浸透力も問題なのだ。
米国では、中国人をみるとスパイと疑うような不信感が拡大している。
中国人留学生を、全米の大学のキャンパスで見かける。ファーウェイは複数の米大学に寄付をし、次世代技術開発で連携している。共和党のマルコ・ルビオ上院議員ら超党派の議員らは「安全保障上の脅威ではないか」と、教育長官に調査を要請した。またもや、連邦議会上下両院議員が騒ぎ出した。
これに対し、ファーウェイ幹部は「(トランプ政権や上下院議員らは)誤った情報を吹き込まれている」と、一部メディアの取材で反論した。
底流にあるのは、「次世代技術を中国に渡さない」「中国のスパイに盗ませない」「中国に協力的な米国企業にも制裁を加える」という意識だ。
つまり、テクノロジー・ヘゲモニー(技術覇権)の争奪なのである。
■宮崎正弘(みやざき・まさひろ) 評論家、ジャーナリスト。1946年、金沢市生まれ。早大中退。「日本学生新聞」編集長、貿易会社社長を経て、論壇へ。国際政治、経済の舞台裏を独自の情報で解析する評論やルポルタージュに定評があり、同時に中国ウォッチャーの第一人者として健筆を振るう。著書に『アメリカの「反中」は本気だ!』(ビジネス社)、『習近平の死角』(扶桑社)など多数。夕刊フジより
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2018年8月3日金曜日
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