2018年8月3日金曜日

キャンピングカーが外国人旅行者に人気

日本を訪れる外国人旅行者の宿泊場所の受け皿と期待された「民泊」の届け出が伸び悩んでいる中、車の中で寝泊まりできるキャンピングカーを使った観光が人気を集めています。
政府は2020年に日本を訪れる外国人旅行者を4000万人に増やす目標を掲げていて、ことしは6月までの半年間に推計でおよそ1590万人が訪れています。

しかし、外国人旅行者の宿泊場所の受け皿と期待された「民泊」の届け出は、先月13日の時点で5800件余りと伸び悩んでいます。

こうした中、外国人旅行者の注目を集めているのが、車の中で寝泊まりできるキャンピングカーです。

国内大手のキャンピングカーレンタル会社「レヴォレーター」によりますと、ことし6月までの半年間で外国人からの問い合わせは157件と、去年の同じ時期の5倍に増えているということです。実際に受けた予約も24件と、去年の4倍に上っています。

また、アメリカのキャンピングカーレンタル会社「エルモンテRVジャパン」は、去年6月から日本国内での営業を始めました。

日本での売り上げの60%が外国人客で、ヨーロッパのほか、台湾や香港などからの客が多く、2週間ほどかけて富士山や北海道を回るコースが人気だということです。

各社では、車を貸し出す際に英語ができるスタッフが高速道路の乗り方や道路標識について説明するほか、カーナビを多言語化するなどして外国人客の取り込みに力を入れています。
 
宿泊施設の少ない埼玉県も注目
 
キャンピングカーを使った観光に注目している自治体もあります。
観光庁の調べで、宿泊施設が全国で2番目に少ない埼玉県です。

外国人観光客の知名度が低いと考えている埼玉県では、キャンピングカーで県内を訪れてもらおうと、取り組みを始めています。

香港からの観光客をターゲットに中国語で書かれたパンフレットには、キャンピングカーを止めて訪れることができる公園や飲食店、それに宿泊場所などを載せています。

また先月には、埼玉県の職員が香港に直接出向き、旅行関係のイベントでキャンピングカーを使った埼玉観光をPRしました。

埼玉県では、キャンピングカーの活用によって、交通の便が悪かったり宿泊施設が少なかったりする地域にも今後、滞在する人が増えることを期待しています。

埼玉県観光課インバウンド担当の滝本亜美主事は「宿泊施設の不足を補う1つの手段としてキャンピングカーの利用を進めていきたい。埼玉県だからできるキャンピングカーの周遊を売り出せれば、多くの人に響くものになるのではないか」と話していました。
利用した外国人「とても楽だ」
利用した外国人「とても楽だ」
先月、オーストラリアから訪れたジョン・ウィルジンスキーさん(46)の一家5人もキャンピングカーを使った日本観光を楽しみました。

到着した成田空港でキャンピングカーを借り、2週間かけて富士山や大阪、長野県の「地獄谷野猿公苑」などを回りました。

ウィルジンスキーさんは「とても経済的だ。荷物のことを考えずに行きたいと思った場所に滞在して観光することができ、とても楽だ。都会から離れれば離れるほど、日本の伝統や文化に触れることができると思う」と話していました。

また、スイスから息子2人と訪れたエンリコ・カンビさん(48)は東京でキャンピングカーを借り、6日間かけて浅間山のふもとにある群馬県長野原町のキャンプ場や、石川県の能登半島などを回りました。スイスとは車の運転席の位置や通行する方向が逆のため、運転にはいつも以上に気を使ったものの、日本の自然を目の当たりにすることができたと言います。

カンビさんは「日本の田舎に魅了されすべてが発見だった。スイスにはない火山も見ることができて、自然の力強さや地震について考えさせられた」と話していました。
 
マナーめぐりトラブルも
 
キャンピングカーをめぐっては、日本人の利用者が夜中にエンジンをかけっぱなしにしたり、ゴミを不法投棄したりして、地元の人とトラブルになるケースも各地で起きています。

このうち群馬県の四万温泉では、温泉街の中心部におよそ80台分の公共の駐車場がありますが、過去に騒音やゴミの問題が起きたため、地元の人たちが「キャンピングカーの駐車禁止」という看板を近くに立てるようになったということです。

四万温泉協会では、キャンピングカーでも温泉街に訪れてもらおうと、新たにスペースを作ることを検討しているということです。

こうした中、キャンピングカーの製造・販売会社などが加盟する「日本RV協会」では、地元でのトラブルを避け快適に利用してもらおうと、利用者が守るべきマナーやキャンピングカーで宿泊することができる全国100余りの施設の情報をホームページで紹介しています。外国人利用者向けに、英語版のホームページも立ち上げています。

日本RV協会では「最近利用が増えている外国人の間でもトラブルが起きないよう、国内でのマナーを守るよう呼びかけていきたい」と話しています。NHKニュースより

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