2017年7月18日火曜日

中国軍の最強駆逐艦が進水 米中の軍事バランスに変化

中国海軍が「アジアで最強の駆逐艦」と豪語する「055型ミサイル駆逐艦」が進水したことが明らかになった。米軍関係者も「055型駆逐艦の海上戦闘における攻撃能力はアメリカ海軍のいかなる水上戦闘艦より勝っている」と指摘しており、東シナ海の沖縄県尖閣諸島の防衛や島嶼を基地化している南シナ海での海洋覇権に大きな影響を与えるとみられる。中国人民解放軍機関紙「解放軍報」が報じた。

055型ミサイル駆逐艦は基本排水量1万t、満載排水量1万4000t、全長180mで、最新推進システム、最新情報処理システム、それに高度なステルス機能を備えている。また、これまで中国海軍が建造してきた水上戦闘艦(航空母艦、揚陸艦を除く駆逐艦やフリゲートなど)で最大であり、第2次大戦後にアジアで建造された最大の水上戦闘艦となる。

香港の英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」によると、建造プロジェクトは2009年にスタート。2014年12月、一番艦の建造開始式典という写真がインターネット上に出回っている。

上海市の江南造船所のドックで、1、2番艦が建造され、大連市の大連造船所では3、4番艦が同時に建造されていることが確認されている。

米軍関係者も讃嘆する055型ミサイル駆逐艦の最大の攻撃力は、128セル垂直発射管から発射される「鷹撃18型超音速巡航ミサイル」(YJ-18)だ。


YJ-18は地上目標も艦艇も攻撃可能な巡航ミサイルであり、最大射程距離は540km程度。米海軍のタイコンデロガ級巡洋艦や一部のアーレイバーク級駆逐艦が装備しているハープーン対艦ミサイルの射程距離が124kmなので、中国の方が4倍以上も射程距離が長く、戦闘においては、055型駆逐艦は米巡洋艦や駆逐艦の脅威圏外から米艦艇を攻撃することが可能。これは大きなメリットである。

これに対抗するのが米航空母艦打撃群だが、中国人民解放軍ロケット部隊は尖閣諸島のある東シナ海や南シナ海を射程に収める東風21-D型対艦弾道ミサイル(DF-21D)や、東風26型対艦弾道ミサイル(DF-26)の運用をすでに開始。米軍が両海域に空母打撃群を出動させれば、格好の標的になってしまうことから、米空母は使えないことになる。

となると、駆逐艦の性能が戦闘の決め手になり、055型ミサイル駆逐艦の性能を上回る駆逐艦を保有していない米軍は不利な情勢になる可能性もある。

サウスチャイナ・モーニング・ポストは、6月に進水した055型ミサイル駆逐艦は年内には航海などのテストを経て、来年には実戦配備される予定だと報じている。米軍関係者が大きな懸念を抱くのもうなずけるようだ。 NEWSポストセブンより

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