北朝鮮による大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射を受け、国連安全保障理事会は5日午後(日本時間6日午前)、緊急会合を開いた。米国のヘイリー国連大使は「外交的解決の可能性は急速に狭まっている」と強調し、軍事行動も選択肢から排除しないことを改めて警告。また近日中に、新たな制裁決議案を示す考えを示した。
北朝鮮問題を扱う緊急会合としては異例となる公開で行われ、ヘイリー氏は、「米国は自らと同盟国を守るため、あらゆる能力を駆使する準備ができている」と強調。その一つとして「軍事力」を挙げ、「行使せざるを得なければ行使するが、そのようにならないことを望む」と述べた。
さらに、「安保理決議に違反する北朝鮮との貿易を許し、奨励さえしている国がある」と非難した上で、「国際安全保障上の脅威を真剣に受け止めない国に対し、われわれの貿易姿勢は変わる」と発言。北朝鮮最大の貿易相手国である中国を強く牽制(けんせい)した。
ヘイリー氏は、近日中に提示する新たな制裁決議案について、軍事や核兵器プログラムに用いられる石油供給の制限▽航空、海運の制限強化▽北朝鮮高官に責任を課すこと-を検討していると明らかにした。
中国とロシアはミサイル発射は非難したものの、対話を重視する姿勢を改めて強調。7月の安保理議長を務める中国の劉結一国連大使は「全ての国に、自制し挑発行為を避けることを望む」と米国を牽制した。
ロシアのサフロンコフ次席大使は「制裁は問題を解決しない」と発言。これに対し、ヘイリー氏は「北朝鮮の行為を喜んでいるなら、決議案に拒否権を行使すればいい」として、激しい応酬をみせた。
日本の川村泰久国連次席大使は「強固な制裁決議による安保理の迅速な対応が必要だ」と述べ、新たな決議案を支持した。
安保理関係者によると、中国はこれまでICBM発射の場合、制裁強化に同意する考えを示していたとされる。今後、米中は制裁議論が本格化するが、石油取引制限などに反対する中国が、米国案にどこまで譲歩するかは不透明だ。 産経ニュースより
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2017年7月6日木曜日
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