韓国文化観光研究院による2016年の訪韓外国人1万2003人を対象にした調査結果がそれだ。その発表された資料によると、もっとも多くお金を使った訪韓外国人は、中東からの観光客だったという。1人当たり2594ドル(約29万円)だ。
調査に協力した中東からの観光客153人のうち、1万ドル以上という人の比率は10.8%も上る。また、3000~9999ドル使ったという人の比率も3割以上だった。彼らが購入している品目は、衣類(58.1%)が最多となった。
以下の順位を見てみると、2位は中国人(2060ドル)、3位はロシア人(1783ドル)、4位シンガポール人(1573ドル)、5位「香港からの観光客」(1520ドル)となっている。
「日本人とケチ」と報じる苛立ち
日本人はどうか。
同調査結果によると、1人当たり814ドルとなっており、対象国でもっとも低かった。全体平均1625ドルの半分ほどで、1000ドルを切ったのは日本人だけだったという。
『聨合ニュース』は「日本人はチャンドリ(“ケチ”、けちん坊という意味)」などと見出しを打って調査結果を報じていたが、そこには訪韓外国人が急激に減っている苛立ちがあるのかもしれない。
というのも、4月に韓国を訪れた外国人観光客は107万5899人で、前年に比べて27%も減少。日本人観光客も5.4%減っており、「日本人観光客減少…今年300万人の目標達成に“赤信号”」(『聨合ニュース』)と報じられているほどなのだ。
中国人観光客にいたっては、前年同月比60%以上も減っている。
“限韓令”や情勢が原因ではない
中国人観光客が急激に減っている一番の原因は、サード(THAAD)をめぐる“限韓令”だろう。ただ、それ以前から「韓国旅行はもう二度とごめんだ!!」という中国人がいただけに、理由を政治的問題にだけ求めるのはお門違いかもしれない。
(参考記事:「もう二度とごめんだ!!」 中国人観光客が韓国にガッカリする理由とは)
にもかかわらず、韓国メディアの取材に答えた韓国観光公社関係者は「サードの報復措置で中国人団体観光客が減り、日本人観光客も朝鮮半島の情勢不安で来なくなった。今年3~5月、観光業界が売上の崖を経験している」と嘆いている。
ここでも政治情勢を理由に挙げているわけだが、韓国自体にも問題点はあることは否めないだろう。
例えば、最近の韓国では外国人観光客、とりわけ女性観光客のトラブルが増えているという。オーストラリアでは、これまで「女性観光客にとって危ない国」ランキングのトップはインドだったが、最近は韓国の名が挙がるようになってしまったほどだ。
(参考記事:外国人女性の被害続々…“女性観光客にとって危ない国”に落ちた韓国)
日韓の意識のズレは観光にも
日本政府観光局によると、訪日韓国人は2016年1~5月の203万5539人から、今年1~5月は282万7000人と38.9%も増加している。
日本を訪れる中国人観光客も微増しており、『朝鮮日報』は「韓・中葛藤の間に…日本、両国から観光客を誘致して“サード特需”」などと報じている。
最近、韓国人の56%が「日韓関係は今後良くなる」と考えているという世論調査があったが、日本と韓国を訪れる両国の観光客数にも大きなズレがあるようだ。
(参考記事:日本5%vs韓国56%という意識のズレ…なぜ韓国人は「日韓関係は今後良くなる」と考えるのか)
いずれにしても、外国人観光客を誘致に励む日韓両国は、明暗がはっきりと分かれているように思う。観光客1人当たりが落とす金額も重要だが、そもそも外国人観光客が減少しているという抜本的な問題を韓国は解決することができるだろうか。 yahooニュースより
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