米テクノロジー系オンラインニュース「The Verge」(6月23日付)によると、「国家軍事委員会」に提出された同法案は、米民主党・共和党両党の議員が「宇宙における国家防衛システムが損なわれている」という危機感のもと共同で起草したものだという。
「国防総省が、こうした(宇宙における)問題に対し、効果的かつ断固とした態度で対策を講じる能力が無いこと、そして、彼らに問題の本質や規模を把握する能力すら欠けていることを我々は確信している」(ジム・クーパー議員とマイク・ロジャーズ議員による起草案)
画像は「Thinkstock」より引用
これまで宇宙空間の防衛を管轄していたのは空軍、そして国防総省であるが、彼らに将来における地球外の脅威に対処する能力もノウハウもシステムもないという辛辣な批判である。もしこの法案が実現すれば、空軍とは別に空軍内に宇宙部隊が組織されるとのことだ。
ここで言われている脅威は、一般的には地球に落下する恐れのある小惑星や軍事衛星がそれに当たると思われるが、もしかしたら大規模な宇宙戦争や、地球外知的生命体の脅威も含まれているのかもしれない。また、空軍がひた隠しにしている機密UFO情報や、基地内に存在するとされるエイリアンはどうなるのだろうか?
■空軍トップは猛反発
画像は「SPACENEWS」より引用
胸躍るニュースだが、「SPACENEWS」(5月19日付)によると、空軍上層部はこの法案に対し猛反発、実現が危ぶまれているという。米空軍のトップであるアメリカ空軍参謀総長デイヴィッド・ゴールドフェイン氏は、5月17日の「アメリカ合衆国上院軍事小委員会」において、「宇宙部隊の創設は空軍に混乱をもたらし、通常業務に支障が出ることが予想される」として真正面から反論。
これに対し、「アメリカ会計検査院」の源泉徴収管理部最高業務責任者クリスティーナ・チャプレン氏は、これまで宇宙防衛システムに割り振られた予算が、他の軍事オペレーションに使用されることがあり、有効に機能してこなかったと痛烈に批判。宇宙部隊創設の背景には、軍事予算を巡る財政的な理由があるようだ。
画像は「The Verge」より引用
いずれにしろ、将来、宇宙を征する国家が軍事的優位に立つことは間違いないだろう。アメリカの動き次第では、すでに事実上の宇宙軍を持つロシアや中国などの大国もアクションを起こすかもしれない。いよいよ宇宙戦争の時代に突入するのだろうか? その時、日本はどう対応するのだろうか? 今後も米国の動向から目が離せない。 トカナより
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