2010年に国内での臓器移植数を増やすための改正臓器移植法が全面施行されたが、深刻なドナー不足からは脱していない。
日本で唯一の臓器移植斡旋機関である「日本臓器移植ネットワーク」に登録する移植希望患者(レシピエント)が、心臓608人、肝臓319人、腎臓1万2071人に達する(2017年5月末現在)。
一方、年間の臓器提供者(ドナー)は100人程度にとどまり、圧倒的なドナー不足のため国内における移植手術の待機期間は数年から十数年と長期にわたる。これでは待機中にリスクが増す一方である。
そこで選択肢に挙がるのが米国に渡航しての移植手術だ。 通常、米国で移植を受ける際は日本国内の病院が主導し、医師同士のコネなどを利用して受け入れ先を決める。その際、ネックとなるのは巨額の費用だ。
受け入れ交渉の際、米国の病院が患者の重症度などに合わせて、「デポジット」と呼ばれる前払いの手術費・治療費などを含む医療費を一方的に決める。これに渡航費や滞在費などを含めて、米国での臓器移植にかかる総額が決まる。街頭やネットで「○○ちゃんに移植を」と呼びかけている募金の目標金額は、これに基づいた額である。
その額は近年、高騰している。2007年頃まで米国の移植手術はすべての臓器で3000万~7000万円ほどだったが、国際移植学会などが海外渡航による移植自粛を求めた2008年の「イスタンブール宣言」以降、デポジットが急激に値上がりしたのだ。この値段に患者側からの交渉の余地はない。
最近は心臓手術だと、デポジット2億~3億円、プラス渡航・滞在費5000万円ほどが相場とされる。
「過去には6億円のデポジットを提示されたケースもあったが、それでも患者や家族にすれば、大切な命を救ってくれる値段なので“言い値”に従うしかない」(移植医療に詳しい関係者)
提供者の多い米国でもドナーは不足しており、外国人への臓器提供には異論もある。高騰の背景には、値段を吊り上げることで日本人の渡航移植を避ける思惑があるとも指摘される。
また、渡米したものの適合するドナーが現れず、手術ができなくてそのまま残念な結末を迎えることも少なくない。 NEWSポストセブンより
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2017年7月15日土曜日
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