中国とインド間の国境で、緊張が高まっている。現地紙タイムズ・オブ・インディアによると、中印ブータンの3国の境界が交差する地区で、中印はたがいに兵士約3000人を配備するなどの対峙が続いている。
インドの放送局「タイムズ・ナウ」に明かした関係者の話によると、何年にもわたって中印国境では部隊の衝突が見られたが、ヒマラヤ南麓のドクラム(Doko-la、中国名ドンラン)高地の危険性は最も深刻だと明かした。
中国、係争地で軍用車両が通行できる道路を建設か
人民解放軍は、3国の係争するドクラム高地から、細い山間を通り中国領へ繋ぐ道路を建設中だという。同情報筋によると、「中国は軽量戦車、砲撃車両などを含む最大40トンの軍用機が通過できる道路を建設しようとしている」と明かした。
中国側は、6月4~5日夜に、「インド軍がこの建設道路が攻撃した」と主張し、インドを非難した。さらに中国軍は、高地にあるインド軍の塹壕2カ所 をブルドーザーで破壊した伝えられた。中国は、インドの「主権」領域侵害行為に対する報復行為を行ったと主張している。
この中国軍による破壊行為は、インドのモディ首相が訪米し、トランプ大統領と米印首脳会談が行われている時に起こった。
6月末、中国軍は、係争地を通じてチベット領への進入しようとした約50人のインド人巡礼者たちを阻んだ。この騒動はネットで流通し、当時の双方の兵士や関係者たちが対峙する様子が出回り、双方の嫌悪感が増大した。
「2人のアジアの巨人」中印に対し、緊張緩和を求めるブータン
中国とブータンには外交関係はない。中国は、インドとブータンは密接に関係していると考えている。
いっぽう、ブータンは中国の特使に書簡を送り、北京に緊張緩和を求めた。印ヒンドゥスタン・タイムズによると、ブータン大使は中国側へ「道路建設は両国間の合意に沿っていないことを伝えた」「ブータンは中国に道路建設をやめさせ、現状を変化させないよう求めた」と報じた。
中国の国営メディアや軍当局は、積極的に中印国境の問題について報じており、「土地の係争はない、いかなる土地に侵入してもいない」と主張している。
いっぽう、インドは慎重で、先方の出方をうかがっている。モディ首相は6月26日の米トランプ大統領と会談で、地政学的な問題について話合ったとされる。
中国民主党全国委員会主席でコロンビア大学政治学博士の王軍濤(おう ぐんとう)氏は、大紀元メディアグループ映像部NTD(新唐人テレビ)の取材に対して、「地政学上、中国はインドを仮想敵国と見なしている」。中国がインドを批判する報道について、「インドとアメリカが戦略的な協力関係を築こうとしているのを、中国がインドを脅かすために報道していると考えられる」とした。
インドは、中国主導の現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」に参加しておらず、「計画の一部は実現可能ではない」と指摘している。 大紀元日本より
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