TPP11は6カ国の国内手続きが終了した60日後に発効する。すでにメキシコと日本、シンガポール、NZ、カナダが国内手続きを終えており、6カ国目となるオーストラリアが31日、手続き終了をNZに通知した。
残る5カ国はベトナム、ペルー、チリ、ブルネイ、マレーシア。ベトナムは11月中旬までに議会の承認を終える見通し。パーカー氏は「多くの国が国内手続きを進めており、数週間から数カ月で終了するだろう」との見通しを示した。
発効後には閣僚級による「TPP委員会」を開催。タイや英国など新規加盟を希望する国との手続き内容を決める。
TPP11は農作物や工業品の輸出入の関税を引き下げるほか、ビジネスのルールを統一する。発効すれば日本からの輸出では工業品の99.9%、農林水産物の98.5%で最終的に関税が撤廃される。
日本の消費者にとっては安い輸入肉や野菜が手に入りやすくなる利点がある。豪州のモリソン首相は31日、日本への牛肉や乳製品の輸出について「TPP11の発効で、日豪経済連携協定(EPA)を超える市場アクセスが得られる」と述べた。
米国を含む12カ国は2016年2月にTPPに署名したが、17年にトランプ米大統領が離脱を表明して発効できなくなった。日本は残る11カ国の再交渉を主導してTPP11をまとめ、早期発効を各国に働きかけてきた。
日本や中国、インド、東南アジア諸国連合(ASEAN)など16カ国が参加する「東アジア地域包括的経済連携(RCEP)」も11月の実質妥結を目指し交渉が進んでいる。米中貿易戦争が激化し、米国が保護主義的な動きを強めるなか、各国は多国間の自由貿易体制を早期に構築し、新たな対抗軸としたい考えだ。日本経済新聞より
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