2018年10月30日火曜日

「徴用工」韓国がまた“異常”判決か 国際協定が通用せず

韓国でまた、「異常判決」が出る恐れが高まっている。韓国最高裁が30日、日本による朝鮮半島統治下で、「徴用工」として労働を強いられたという韓国人4人が、新日鉄住金(旧新日本製鉄)に損害賠償を求めた訴訟の差し戻し上告審の判決を言い渡すのだ。徴用工問題は1965年の日韓請求権・経済協力協定で解決済みだが、「反日」の韓国だけに、日本企業が敗訴するとの見方も強い。国家間の約束も守れない隣国に対し、判決前と判決後に、決然とした「政府の対抗策」を求める声も多い。
 
「韓国では、約270の日本企業が一方的に『戦犯企業』とされている。新日鉄住金が負けたら、270社すべてが訴訟の対象になりかねない。訴訟額は約2兆円に上ると予想され、韓国内の資産が差し押さえられる恐れがある。韓国側の弁護士は『米国内にある日本企業の資産も差し押さえる法的手続きを進める』と予告しており、韓国内で収まる話ではなくなる可能性がある」

朝鮮近現代史研究所所長の松木國俊氏は、徴用工訴訟で日本企業が敗訴した場合の影響について、こう危惧した。

問題の裁判は、1、2審では原告敗訴の至極当然の判決が出たが、最高裁は2012年5月、「個人請求権は消滅していない」と2審判決を破棄して差し戻した。ソウル高裁は13年7月の差し戻し審で、新日鉄住金に計4億ウォン(約4000万円)の賠償を命じる異常な判決を出し、新日鉄住金は「請求権は消滅した」とする日本政府の見解に基づいて上告している。

世界各国は最近、「韓国は法治国家なのか?」「反日が突出している」と疑問視している。その判断材料となる判決が、30日に出るわけだ。

現状分析について、前出の松木氏は「日本企業が負ける公算が大きい」と予想する。最高裁自身が今回の訴訟について「請求権は消滅していない」と差し戻しを命じているうえ、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が昨年9月に任命した金命洙(キム・ミョンス)長官をはじめ、最高裁で「左派」のメンバーが多くを占めているためだという。

菅義偉官房長官も判決期日が発表された19日、「日韓間の請求権の問題は日韓請求権・経済協力協定により(個人請求権も含めて)『完全かつ最終的に解決済み』というのが、わが国の一貫した立場だ。引き続きこの立場に基づき、適切に対応していきたい」と述べた。

「異常判決」を防ぐため、松木氏は次のように提言する。

「日韓請求権・経済協力協定で、日本は朝鮮半島にあった民間資産をすべて放棄している。その額は、韓国だけでも8兆円とされる。さらに、日本は当時のレートで無償3億ドル、有償2億ドルの経済支援を行った(=別に民間借款3億ドル)。もし、韓国側が個人請求権が消滅していないとして、協定を無効とするのであれば、逆に、日本は『8兆円を返せ』『無償の3億ドルも、現在の価値に利息をつけて返せ』と言える。日本政府は判決前に、韓国にクギを刺しておくべきだ」

そもそも、無償3億ドルには、個人の被害補償問題の解決金も含まれていた。文氏が、司法業務担当の大統領府民情首席秘書官を務めた盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権は、これを認める見解をまとめている。

韓国事情に精通するジャーナリスト、室谷克実氏は「韓国最高裁から『個人請求権は、韓国政府に請求しなくてはならない』という正論が出てくる可能性も1割ぐらいはある。韓国の裁判官は法律よりも、自分たちの立場を重視している。異常な判決を出せば、世界に『韓国の裁判官は国際法を知らない』と知らしめることになるからだ」と分析する。

だが、異常判決が出たら、日本はどう対抗すべきか。

室谷氏は「国際司法裁判所に提訴すると同時に、独自の経済制裁プログラムを発表するべきだ。一般的に、韓国人が嫌がるのは『日本への入国制限』だ。ビザを復活するとともに、入国審査の厳格化を進めれば、韓国は大いに慌てるだろう」と話している。
夕刊フジより

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