F2後継機をめぐっては、世界最強といわれる米ロッキード・マーチン製の「F22」と、米国を中心に西側諸国が共同開発し、航空自衛隊も導入しているロッキード製「F35」の機体をベースに日米が共同開発する案が浮上している。
主なやりとりは次の通り。
F2後継機の共同開発はどう進むか
「日本政府は公式に認めていないが、共同開発の相手先は米国しかない。米国側メーカーはF2共同開発などの実績を持つロッキード・マーチンが有力だ。ロッキードは『第5世代』と呼ばれる最新の戦闘機技術を移転してもよいと話しているが、F22の技術のうち米国政府が移転したくないものもあり、日米政府間での協議事項となろう。アビオニクス、AESAレーダー、レーダー波妨害技術などの移転は法的な規制もあり難しいだろう」
日本には、高いステルスやエンジン技術を背景に純国産戦闘機を開発する構想もあった
「多くの国が国産戦闘機開発に挑んできたが、今や100%の国産は不可能だ。近代的な防衛装備は米国でさえ自国でまかなえず一部を欧州などに依存している。特定地域内で優位性を保つだけの戦闘機なら別だが、最先端戦闘機の単独開発は無理だ」
「炭素繊維強化複合材や翼の製造、アビオニクス、ミサイルに搭載する目標物識別、ナビゲーションなどの技術分野で日本の競争力は高く、米国も注目している。ただ日米共同開発で、より大きな恩恵を受けるのは日本の方だ」
F2後継機の共同開発が実現すれば日本の防衛産業の国際化にも弾みがつくか
「理論的にはイエスだ。ただ日本政府の対応には問題がある。たとえばF35をめぐりロッキードは三菱重工やIHI、三菱電機との協力を深めたいと繰り返し表明しているが、こうした民間企業への日本政府の支援がまだまだ足りない。日本からのF35のコンポーネント(構成部品)輸出が実現していない背景にも、政府の支援不足がある。防衛装備庁設立を機に国際化に向けた政府の取り組みがどこまで進むか、また、三菱重工など日本の防衛各社が事業の構造改革を通して価格競争力を高められるかが成否を左右する」
米中貿易戦争が激化する中、太平洋での両国の軍事行動も変化するか
「中国の軍事技術の脅威と、米中間の緊張が高まっている中で多くの軍事アナリストや軍の幹部が、東シナ海や南シナ海で両国が相手の行動や反応を読み間違えて軍事衝突に発展するリスクが増大していると指摘している。平和の維持には両国間の対話継続が必要だが、行き詰まりを見せている」産経ニュースより
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