2018年10月31日水曜日

韓国で日本企業に賠償命令、専門家から懸念の声続々

2018年10月30日、日本植民地時代に強制徴用させられたと主張する韓国人元徴用工らが新日鉄住金を相手に起こした損害賠償訴訟で、韓国の最高裁は新日鉄住金に1人あたり1億ウォン(約1000万円)の支払いを命じる判決を下した。韓国・聯合ニュースによると、同判決を受け、韓国の専門家らは「日韓関係のさらなる悪化は避けられない」との見方を示している。

シン・ガクス元駐日韓国大使は「日本企業は日本政府の方針に基づき判決を履行しない可能性がある。また日本は外交紛争と判断し対応するとみられるため、日韓関係は急激に悪化するだろう」と予想した。また、「最終判決が出る前であれば、日韓政府と新日鉄住金、日韓請求権協定で支援を受けた韓国企業が参加する基金を設立するなどの解決法も可能だったが、判決が出たことで政府の予算を使う根拠がなくなった」と指摘した。

国民大のイ・ウォンドク教授は「韓国裁判所の法理どおりに賠償すれば『戦後処理の堤防が崩れてしまう』と考える日本は賠償しない。そのため日韓関係は悪化せざるを得ない」とし、「日本人の韓国に対する感情はさらに悪くなる」と主張。その上で「日韓関係に長期的に影響があるとみられるが、短期的には韓国政府がどんな立場を示すかが重要」と指摘した。

また、「強制徴用被害者に対する最高裁の賠償判決があるとはいえ、判決の趣旨に沿って日本の植民地支配に対する全面的な賠償要求につなげることは難しい」とし、「韓国政府も、徴用問題は日韓請求権協定により政治的に解決したというこれまでの立場と、最高裁の今回の判決の差を調節する“緩衝装置”を作るのではないか」と予想。さらに「韓国政府もこの状況を日韓間の歴史戦争に発展させる気はないはず」とし、「朝鮮半島の現状において日本の建設的な役割が重要との点を考慮し、対応する必要がある」と訴えた。

高麗大のパク・ホンギュ教授は「非常に難しく、日韓関係における意味が大きい問題であるため、韓国政府は時間をかけて慎重に対応を考えるべき」とし、「最高裁の判決を尊重しつつ、日本政府とどんな方法であれこの問題をうまくまとめる“模索の時間”が必要だ」と主張した。

これに、韓国のネットユーザーからは「判決を喜ぶより日韓関係の心配をするなんて!」「日韓関係が悪化しないよう、真実に反する判決を出せばよかったと?」「ごく当たり前の判決が出ただけ。韓国が日本の対応を恐れて緊張する必要はない」と反発する声が多く上がっている。

また、「韓国政府は韓国国民の利益だけを考えればいい」「日本は良心を示し、人類の平和に貢献するべき」と主張する声も。

一方、今回の判決について「韓国の経済発展の土台を築いた日韓請求権協定によりすべての請求権は消滅した。それなのにまだ日本にしがみつくのは恥ずかしい。いい加減、日本から抜け出そう」と不満を示す声も見られた。レコードチャイナより

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