2017年11月2日木曜日

トランプ氏訪韓で懸念される北のテロ 

ドナルド・トランプ米大統領は5日から、アジア歴訪をスタートする。日本を皮切りに、韓国、中国、ベトナム、フィリピンを訪ねる。国連安全保障理事会の警告を無視して「核・ミサイル」開発を強行する、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長率いる北朝鮮への包囲網強化を進める。安倍晋三首相ら、各国首脳との会談が注目される。

北朝鮮の暴発・テロが懸念されるが、特に、韓国訪問が要警戒だという。これを牽制(けんせい)するためか、世界最強の米原子力空母3隻による合同訓練が行われる可能性も報じられている。

安倍首相「トランプ氏の訪日を機に、日米連携の強力なメッセージを出したい」「北朝鮮情勢はもちろん、地域情勢全般についてじっくりと話ができるのを楽しみにしている」

トランプ氏「(アジア歴訪の)最初の訪問国である日本の訪問を大変楽しみにしている」「日米は100%ともにある。日米同盟の強さについては疑問の余地はなく、それを世界に示す絶好の機会となる」

日米両首脳は10月30日夜、電話会談を行った。トランプ氏の来日時に行う首脳会談で、北朝鮮問題の議論を深める考えで一致したという。

トランプ氏は11月5日午前、大統領専用機(エアフォースワン)で米空軍横田基地(東京都)に到着する。滞在中、日米首脳会談や、拉致被害者の家族との面会に臨む。両首脳は、男子プロゴルフの松山英樹氏と一緒にゴルフも行う予定だ。

朝鮮半島情勢が緊迫するなか、日米両国は最高度の警戒態勢を敷いている。シークレットサービスなどの先遣隊は、大統領警備・警護のため、バズーカ砲の直撃を受けても、決定的な破損を免れる大統領専用車など、4トントラック20台分もの機材・車両を事前に持ち込んだ(=ジャーナリスト、歳川隆雄氏の夕刊フジ連載『永田町・霞が関インサイド』より)という。

さらに、詳細は後述するが、米海軍が誇る3つの空母打撃群が現在、西太平洋に同時展開している。

在京の公安関係者は「実は、北朝鮮と日本や韓国の関係者との連絡・交信が活発になっているようだ。これまでも、北朝鮮は、日本の外交日程などに合わせるように、嫌がらせのような行為(=乱数表の読み上げなど)をしてきた。先の衆院選では、北朝鮮に近い団体の組織的妨害行為も確認された。当然、近年にない監視・警備態勢をとっている」と語る。

現に、北朝鮮の朝鮮アジア太平洋平和委員会は10月28日、「老いぼれトランプに調子を合わせて戦争策動の手先となりふざけていたら、日本列島が丸ごと海中に水葬され得る」などと、看過しがたい報道官談話を発表した。

北朝鮮は過去、他国でテロを実行している。

1983年、ビルマ(現ミャンマー)のラングーン(現ヤンゴン)で、韓国の全斗煥(チョン・ドゥファン)大統領(当時)を狙った爆弾テロ事件を起こし、韓国の副首相ら21人が死亡した。その後、正恩氏の父、金正日(キム・ジョンイル)総書記が主導したことが分かった。

正恩氏は今年2月、マレーシアで猛毒の神経剤VXを使い、実兄の金正男(キム・ジョンナム)氏を暗殺した。決して、油断できない。

日本より、韓国訪問中のテロを懸念する見方もある。

朝鮮日報(日本語版)は先月26日、「反米団体がトランプ氏来韓中のデモ予告」のタイトルで、トランプ氏の訪韓(7、8日)に合わせて、ソウル市内で約220の団体が、訪韓反対・国会演説反対の闘争に突入する。7日夜にはソウル市中心部の光化門広場で2000人規模の集会を開くと報じた。

現在、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権は「親北・従北」と言われている。保守系とされた朴槿恵(パク・クネ)政権時代の2015年3月にも、マーク・リッパート駐韓米大使(当時)がソウルで、暴漢に襲われるテロ事件が発生している。

北朝鮮の工作員は日本や韓国に侵入し、国内の反米・反体制的な人物を取り込んで工作活動に利用している。

トランプ氏のアジア歴訪に合わせて、北朝鮮が「核・ミサイル」実験を強行したり、テロを実行する可能性は捨てきれない。こうした暴発を阻止するためか、米国は軍事的圧力を強めている。

AP通信は10月26日、米政府当局者の話として、トランプ氏のアジア歴訪中に、原子力空母3隻が参加する訓練の計画があると伝えた。西太平洋には現在、米原子力空母「ロナルド・レーガン」に加え、同「セオドア・ルーズベルト」、同「ニミッツ」を軸とする空母打撃群が展開している。

米軍の3つの空母打撃群が同時展開するのは2007年以来といい、米国の警戒態勢の深刻さが理解できる。

官邸に近い関係者は「トランプ氏のアジア歴訪に合わせて、北朝鮮が暴発・テロを実行したら、米国に『北朝鮮攻撃の大義』を与える。正恩氏も『ここで動いたら終わりだ。死を意味する』と理解しているはずだ。簡単には動かないのではないか」と分析する。

ただ、最大限の警戒は怠ってはならない。  夕刊フジより

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