2017年11月2日木曜日

文在寅政権、中国に約束した「3NO」守れるだろうか

1.THAADの追加配備はしない  現政府で進められる可能性は低い  
北朝鮮の脅威強まるほど圧力も大きくなる見込み  
 
2.米国のMDには参加しない  
韓国型ミサイル防御の構築を表明  
韓米情報共有、MD参加に繋がる恐れも  
 
3.韓米日軍事同盟には発展させない  
国民感情から日本との軍事同盟は困難  
日米、中国牽制への協力を圧迫する可能性も

星州THAAD基地に配備されたTHAAD砲台。THAAD発射台の間にはTHAAD防御用のパトリオットミサイルが配置されている//ハンギョレ新聞社
最近の韓中関係復元の合意は、韓国がTHAAD(高高度防衛ミサイル)の追加配備を行わず▽米国のミサイル防衛(MD)に参加せず▽韓日米3カ国の軍事同盟にさせないという、いわゆる「3NO」を表明し、中国の安保憂慮を払拭させる形で行われた。しかし、朝鮮半島周辺の環境や各局の利害関係によって状況が変化する可能性もあり、政府の「3NO」の約束がどこに向かっていくかを速断するのは難しい。
THAADの追加配備の場合、文在寅(ムン・ジェイン)政権で進められる可能性は高くない。文在寅政権の主要支持層でもTHAAD配備への反対意見が優勢だ。THAADはまた、40~150キロメートルの高い高度で敵のミサイルを迎撃するシステムであるため、休戦ラインと近い首都圏を防御できず、配備地域が朝鮮半島の南部地域に限定される。南部地域にはすでにTHAAD1個砲台が配備されており、追加配備を急ぐ理由はほとんどない。しかし、今後北朝鮮の核・ミサイルの脅威がさらに強まれば、様々な方法で追加配備への圧力が高まる可能性も排除できない。
米国のミサイル防衛(MD)に参加しないという立場は、金大中(キム・デジュン)政権時代から堅持してきた政府の基本立場だ。米国が北東アジア地域にミサイル防衛を構築し、自国のミサイルの無力化を狙っていると疑っている中国に対する配慮からだ。その代わり政府は、M-SAM(中距離地対空ミサイル)とL-SAM(長距離地対空ミサイル)を国内開発し、独自の韓国型ミサイル防衛(KAMD)を構築するという立場を明らかにしてきた。しかし韓米は北朝鮮のミサイルが発射された場合に備え、ミサイルの探知・追跡情報などをリアルタイムで共有して効率的に迎撃するシステムの構築を急いでいる。韓日間のミサイル防御が情報交換を媒介に連動されるということだ。こうなれば、自然に韓国が米国のミサイル防衛に参加する手順を踏むことになるという指摘もある。
韓米日3カ国の軍事同盟は実現の可能性がほとんどない。国民感情からして、日本と軍事同盟を結ぶことは想像できないからだ。しかし、韓米日3カ国の間の軍事協力は徐々に拡大・強化されている。韓米日3角軍事協力強化の流れは、2012年8月に李明博(イ・ミョンバク)大統領が独島を訪問したのに続き、2013年春に朴槿恵(パク・クネ)政権が対日強硬外交路線を採択したことで一時停滞していたが、2015年12月の韓日慰安婦の合意以降、韓日両国間の軍事外交が再開され、再び急ピッチで進められている。
韓米日3カ国海軍の連合、ミサイル警報訓練が昨年6月に初めて行われて以来、これまで5回に渡り開かれ、韓米日3カ国による合同海上救助演習(SAREX)も毎年実施されている。韓米日3カ国の合同参謀議長会議も2014年7月以降5回も開かれた。名分はいずれも北朝鮮の挑発だ。しかし、この流れの背景には、韓国を巻き込んだ韓米日3カ国協力体制で、中国の軍事的浮上を牽制しようとする米国と日本の一致した利害関係がある。今後、中国の力がさらに大きくなるにつれ、これを牽制するため韓米日3角軍事協力をさらに強化しようとする日米の圧力も強まる見込みだ。韓国が3カ国軍事協力の強化に向けた米日の圧力と、これに反発する中国の板挟みになり、再び苦しい立場に追い込まれる可能性もある。  
ハンギョレ新聞社より

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