2017年11月3日金曜日

「第2次朝鮮戦争」が起きたら…壊滅的結末を迎えるシナリオ 分析

朝鮮戦争が1953年に休戦という形で終結するまでに数百万人が犠牲となり、韓国は焦土と化した。この戦争の間、ソウルは4度、占領された。
 

現在、韓国の首都ソウルは、ITテクノロジー、Kポップ、美容整形術のメッカであり、市内の人口は約1000万人、首都圏一帯にはさらに多くの人が住む。
 

だが、ソウル一帯の住民は今でも北朝鮮の大砲兵隊が狙える射程範囲内にある。朝鮮半島を分断する軍事境界線と非武装地帯(DMZ)までは、車で北へわずか1時間。核兵器で武装する北朝鮮と新たな軍事衝突が起これば、格好の標的となるだろう。

たとえ核兵器を用いない従来型の戦闘だとしても、第2次朝鮮戦争が起きれば最初の1日で、韓国側の死者は数万人に上ると専門家らはみている。

今年に入ってから朝鮮半島情勢は緊張に満ちている。北朝鮮は6度目の核実験を実施し、米本土が射程に入るとみられるミサイルの発射実験も行った。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長とドナルド・トランプ米大統領は、戦争をちらつかせた威嚇と個人的な侮辱の応酬を繰り広げている。そうした中、トランプ大統領はアジア歴訪の一環として11月7日にソウルを訪れる。

北朝鮮側はトンネルや側溝に隠す形で韓国との国境沿いに、約1万発の砲弾と少なくとも500発の短距離ミサイルを配備しているとみられている。また韓国の推計によると、北朝鮮軍の陸上部隊の兵力は110万人程度で、うち7割はDMZから100キロ以内に駐留している。一方、米国防総省の2015年の報告書によると、北朝鮮が保有する兵器の大半は、ロシアまたは中国製で老朽化している。

だが、北朝鮮政府が「ソウルを火の海にする」とたびたび威嚇しているように、軍事衝突が起きれば北朝鮮軍は最初の数時間で可能な限り最大の攻撃に出る、というのが専門家らの見方だ。
■ソウル市民の犠牲者は初日で6万5000人に
米カリフォルニア州にあるシンクタンク、「安全保障および持続性のためのノーチラス研究所」の2012年の研究によると、北朝鮮はソウルに到達可能な少なくとも700基の170ミリ砲と240ミリ多連装ロケット発射装置を保有している。

ただし、それらの兵器の信頼性は疑わしく、2010年に北朝鮮軍が韓国の延坪島を砲撃した際に、砲弾170発のうち約4分の1が効力を持たなかったことからも、すぐに発射可能なのは全体の3分の2程度だろうと同研究は指摘している。

そうした前提の上でノーチラス研究所の推計では、核を使用しない攻撃であっても、最初の1日でソウルでは民間人約6万5000人が死亡し、その大半は最初の3時間での犠牲者で、1週間後までに死者数は計8万人に達するとしている。この報告書をまとめたロジャー・カバソス氏は、「北朝鮮側は最終的に自国の政権が崩壊する前に大規模な戦争を仕掛け、数万人を殺りくし、甚大な被害を生じさせることができるだろう」と語る。

シナリオ通りに進めば、その後、数分以内に米軍と韓国軍が反撃を開始。ソウル市民は市内各地に多数ある地下シェルターに避難するため、その後の死者数は急速に減るという。両軍による反撃で、北朝鮮側の砲弾は毎時約1%ずつ破壊され、1日後には4分の1近くが壊滅する。そして戦闘の大半は4日以内に終了する。

韓国が発表した2016年の防衛白書によると、朝鮮半島で戦争が勃発した場合、米軍は兵力69万人、艦船160隻、航空機2000機を展開するとされている。これ以外に、すでに韓国には米兵2万8500人が駐留しており、韓国軍は62万5000人の兵力を持っている。

米韓両軍はテクノロジーの面でも北朝鮮軍を圧倒しているため、どのようなシナリオをたどっても北朝鮮側の敗戦に終わるとされるが、犠牲はどの程度まで及ぶのだろうか。   AFP通信より

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