1901年に創設されてから昨年まで892人の個人と24の団体に贈られてきたノーベル賞。昨年、日本人受賞者はいなかったが、日系英国人のカズオ・イシグロ氏(63)が文学賞を受賞したことで日本中が沸いた。
一方、韓国では世間やメディアがその理由を多方面から分析するのが恒例となっている。
韓国最大の研究機関である韓国研究財団は5月、ノーベル賞受賞には平均22年という長い年月と持続的な政府の支援が必要だとする調査結果をまとめた。ところが韓国では短期間で結果を求められるうえ、研究開始年齢は40代半からと他国と比べて遅い。さらに一部の中堅教授らが政府の助成金を独占しており、若い研究者がサポートを受けられないという韓国特有の問題点も明らかになった。
◆研究開始から受賞するまで平均22年
調査では1901年から昨年まで、「物理学」「化学」「生理学・医学」の科学分野でノーベル賞を受けた科学者591人の研究経歴を分析した。報告書によれば、ノーベル賞受賞者10人のうち9人は35歳になる前に、のちにノーベル賞を受けることになる研究を開始していたことがわかった。研究開始年齢は平均37.1歳で、分野別に見ると物理学37.1歳、化学37.6歳、生理学・医学36.6歳だった。ノーベル科学賞受賞者の平均年齢は59歳なので、受賞するまで22年かかった計算だ。1940年代では研究開始から受賞するまで平均18.5年かかったが、2010年代に入ってからは29.2年かかるなど、受賞までの期間が長期化していることもわかった。
◆長期間研究できる環境が整っていない
韓国研究財団は、2000年代以降、自然科学分野で米国の次に多い16人のノーベル賞受賞者を輩出した日本にも注目してきた。2015年にニュートリノ振動を発見したとしてノーベル物理学賞を受賞した東京大学宇宙線研究所長の梶田隆章教授はじめ、日本人受賞者のほとんどが学生時代に出会った科学に刺激を受け、大学・大学院へ進学してから本格的に研究を始めたと詳細に報告した。
特に「学校の教師や大学教授の指導と役割が大きかった」ことに注目したようだ。日本人受賞者16人のうち14人が30歳前に大学や研究所に入り、早いうちから安定した研究環境で研究を開始したことが現在のノーベル賞ラッシュにつながっていると分析した。韓国紙の中央日報も「日本の強みは、研究者が若いうちから長期間の研究を継続することができる文化があることだ」とした。
一方、韓国では研究を長期間後押しする環境が整っていない。また、研究課題は科学者が自発的に決めるのではなく、政府が決定して発注する方式であり、さらに短期間で結果を出さなければならないという。ソウルのある大学の物理学科教授は「韓国の場合、博士号取得後は30代後半で研究ができる安定したポジションに就き、40代中盤になってようやく自分の研究を始める」とし、「20、30代で研究を開始する海外と比べてあまりに遅れている」と批判した(韓国経済新聞)。
人類の発展に多大な功績を残した人物に贈られるノーベル賞は、一朝一夕の研究で受賞するのは難しい。子どもたちが純粋に科学に興味を抱き、国の発展につながる成果が出なくとも、長期的に研究を後押しする環境整備が今の韓国科学界に必要なようだ。
infoseek newsより
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2018年6月4日月曜日
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