探査機「はやぶさ2」が3年半の旅路を経て、ついに小惑星「リュウグウ」に到着した。
地球の生命は、どのように誕生したのか。この謎に迫るのは、はやぶさ2だけではない。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、次の一手となる探査の構想を練っている。
生命の材料は宇宙から飛来?
生命の材料となる有機物や水は、宇宙から運ばれたとする説が有力視されている。これらの物質を含む小惑星や隕石(いんせき)、ちりなどの小天体が太陽系の初期に、木星と火星の中間領域の外側から内側に移動し、地球まで飛来してきたとする仮説だ。
太陽系というと、私たちは水金地火木といった大きな天体をまず思い浮かべるが、実は小さな天体もその歴史の中で重要な鍵を握っていた。こうした小天体を詳しく調べれば、生命の起源に関する仮説の検証や、太陽系の歴史の解明につながると期待されている。はやぶさ2も、こうした狙いを持つ探査機だ。
“通り道”にある火星の衛星に注目
小さな天体を調べようとJAXAが検討を進める新たな探査の一つが、火星衛星探査計画「MMX」だ。はやぶさ2と同様に探査機が降下して着地し、物質を採取して地球に持ち帰る。行き先は火星の2つの衛星のうち、フォボスが有力だ。JAXAは2024年に探査機を打ち上げ、29年に地球に帰還させることを目指している。
地球のすぐ外側を回る火星は、有機物や水を含む小惑星が地球に飛来した際の通り道に位置する。飛来した小惑星が火星の引力に捕獲されたか、火星に衝突して衛星になったと考えられている。
このため火星の衛星の起源を調べると、太陽系の小天体がどのように移動してきたか分かり、生命の材料が地球にもたらされた謎の解明につながりそうだ。
火星の衛星探査では11年にロシアが探査機「フォボスグルント」の打ち上げに失敗し、世界を落胆させた。現時点で実現性が高いのは日本のMMXだけ。注目度は高く、米国やフランスなどが観測機器を提供する話し合いが進んでいる。
JAXAの国中均理事は6月中旬、文部科学省の会合で「火星圏に探査機を送ることの重要性を各国が認識している。MMXがこれに応えたい」と実現を訴えた。
小惑星が放つちり、衛星の海を狙え
地球には有機物などを含むちりが、宇宙から年間約4万トンも飛来しているとみられる。そのちりや、ちりを宇宙空間にまき散らす天体にスポットを当てるのが、深宇宙探査技術実証機「デスティニープラス」だ。
探査するのは地球に近づくタイプの小惑星「ファエトン」。探査機が近くを通過して詳しく観測するほか、ファエトンが放ったちりの化学的な性質などを調べる。ちりの観測装置はドイツが開発し、JAXAは21年度の打ち上げを検討している。
一方、木星や土星の衛星の一部には表面の氷の下に液体の海がある。その海底には生命がいるかもしれない。地球以外のこうした場所で、生命が存在する可能性はどの程度あるのか、関心が高まっている。
木星の衛星「ガニメデ」も、海を持つ可能性が指摘されている。これを探査するのが木星氷衛星探査計画「ジュース」。欧州が22年に探査機を打ち上げ、JAXAや情報通信研究機構が観測機器の開発などで参加する見込みだ。
生命をテーマとするこれらの探査について国中氏は「それぞれが関連している。技術を獲得する上でも、国際協力の点でも重要だ」と強調する。
実現すれば、生命はなぜ、どのように生まれたのかという人類にとって根源的な問いの答えを探す壮大な取り組みとなりそうだ。産経ニュースより
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2018年6月30日土曜日
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