水産庁は25日、日本沿岸で不漁が続くサンマの資源回復を図るため、中国や台湾が漁獲を増やしてきた公海域での漁獲制限をめざす方針を明らかにした。日本など8カ国・地域による北太平洋漁業委員会(NPFC)にすでに提案しており、7月3~5日に東京で開く年次会合で議論する。
サンマは北太平洋を回遊し、夏から秋にかけてロシアや日本の排他的経済水域(EEZ)内にやってくる。両国の漁獲はEEZ内が中心だ。一方、中国や台湾の大型船は、その手前の公海で操業している。
日本案は、公海上でとれる量を、サンマを安定的にとり続けられる漁獲水準の一定割合以下に設定。その枠内で各国の配分を決める。具体的な水準は来年春にまとまる資源評価の結果を踏まえて決める。漁獲の中心がEEZ内の日本やロシアには影響が小さい内容だ。
会合には日本、カナダ、ロシア、中国、韓国、米国、バヌアツ、台湾が参加。日本は昨年、国・地域別の漁獲枠を提案したが、中国やロシアなどが賛同しなかった。今回も合意の見通しは立っていない。
NPFCへの報告によると、北太平洋の2017年の漁獲量は前年より26%少ない26万6千トン。各国・地域別では、台湾が10万7千トン、日本が8万5千トン、中国が4万9千トンだった。朝日新聞DEGITALより
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