小野寺五典防衛相は平成26年4月の参院外交防衛委員会で、小笠原諸島など太平洋側の島嶼部には固定式レーダーなどの警戒監視部隊を配置していないとして「防空態勢の面で空白地域となっている」と答弁。防空態勢のあり方を検討するとも述べた。
一方、南西諸島は宮古島(沖縄県)に空自の固定式レーダーを置いていただけで陸上自衛隊部隊などが配置されておらず、「部隊配備の空白地域」とされてきたが、28年3月、日本最西端の与那国島(同)に陸自沿岸監視隊を配備。空自の移動式レーダーも展開させることにしており、空白は解消されつつある。そのため防衛省は28年度から小笠原諸島で電波環境などを調べる適地調査に着手。当面は固定式レーダーを配備するのではなく移動式レーダーを展開させる方針を固め、展開候補地の絞り込みに入った。
候補地が決まれば、政府が年内に改定する防衛力整備の基本指針「防衛計画の大綱」と31年度からの「中期防衛力整備計画」に移動式レーダーの展開基盤を整備すると明記する。小笠原諸島に移動式レーダーを展開する部隊は入間基地(埼玉県)の第2移動警戒隊を想定している。
小笠原諸島は要衝に位置し、防空態勢の整備は中国への抑止力と対処力を強化する上で急務の課題だ。
中国は有事の対米防衛ラインとして設定した九州-台湾-フィリピンを結ぶ第1列島線について25年7月に早期警戒機が沖縄本島・宮古島間の空域で突破し太平洋に出たことが初めて確認された後、同空域の通過を常態化。28年12月には遼寧が沖縄本島・宮古島間を通過し太平洋に進出した。
中国は小笠原諸島-グアム-パプアニューギニアを結ぶ第2列島線までの防衛ライン拡大を目指しており、小笠原諸島での防空態勢の穴を放置すれば、中国軍機や遼寧の艦載機が領空侵犯などで威嚇と挑発を強める恐れが強い。産経ニュースより
0 件のコメント:
コメントを投稿