北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は、常に周囲と際立って違う服装をしている。これに対し、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、周囲が大統領と同じ服装をする。
両者はまったく正反対の現象のように見えるが、本質は同じだ。トップは「絶対的に偉い存在」であることを、自ら示すか、周囲が示すか-の違いが表出している。民主主義とは真逆の権威主義政治文化が底流にあることは何ら変わりない。
韓国メディアのカメラマンとは「バカの中のバカ」ではないかと思えてくる。その昔、日教組の活動家教師が「バカの中にも上中下があり、その下にも上中下ありで、君のような奴は」と教えてくれた。
その教えを踏まえると、韓国のカメラマンが「バカの中のバカ」と思えてくるのは、文氏が主宰する会議、あるいはパーティーの写真が、いつも「同じ構図・風景」になっているからだ。
文氏が白いワイシャツでノーネクタイなら、出席者はみんな、白いワイシャツにノーネクタイ。みんながほぼ一様に口を少し開けて、いかにも作った笑い顔を大統領の方に向けている。
文氏がダークの背広にノーネクタイだと、出席者もみな同じ格好で、作った笑い顔を…嘘だと思ったら、事実上の国営通信社である聯合ニュースの写真を検索してみるといい。
どれを見ても、基本的に「同じ構図」「同じ風景」であり、5、6枚も見たら、もう気持ちが悪くなってくる。
しかし、韓国メディアのカメラマンが本当に「バカの中の、下の中の下」であるはずがない。どこの国のカメラマンだって「生きた映像」を撮りたい。だが、首席秘書官・補佐官会議だろうと、財閥トップとのビール懇談だろうと、出席者全員が大統領の方を向いて、作り笑いを浮かべた場面しか撮らせてもらえないのだろう、きっと。
いや、もしかしたら、大統領を囲む会議やパーティーに出席する場合は、事前に大統領府に問い合わせ、同じ服装をして、カメラが近づいたら口を少し開けてと、経済界のトップまで新政権のスタイルに早々と“飼い慣らされている”のだろうか。
遠からず、韓国のエスタブリッシュメントは白いワイシャツばかりになるだろう。
韓国のメディアが、大統領を中心に据えた写真が、常に「同じ構図」「同じ風景」でしかないことに、疑問を呈するコラム1つ書かないのは、まさに「の下の中にも上中下、その下にも」ではあるまいか。
文氏は就任前、「私が大統領になったら、あらゆる日程を公開する」と述べた。マスコミに直接かかわる公約だが、それは守られているのか。
公開されるのは「同じ構図」「同じ風景」の場面だけなのに、文句1つ言えないのだとしたらいや、「国境なき記者団」とか称する国際組織によると、韓国の「報道の自由度」は日本よりはるかに高いそうだから、そんなことがあろうはずはない。 夕刊フジより
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2017年8月3日木曜日
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