米国は北朝鮮が今回発射した「火星14号」ミサイルを「ゲームチェンジャー」とみている。これまでとは全く異なる状況へと一変させてしまったという意味だ。文在寅(ムン・ジェイン)大統領も同様の見方を持っており、日本も同調している。射程距離が延びたミサイルがなぜ北朝鮮をめぐる「ゲーム」を根底から変えるのか。専門家は「北朝鮮が韓国と日本に核ミサイルを撃っても、米国が『核の傘』を提供するという保証がなくなったためだ」と指摘する。これは韓米同盟、米日同盟の基本を揺るがすもので、北東アジアの安全保障地図の変化につながる。同時に米国が交渉であれ、武力行使であれ、これ以上問題を先送りせずに行動せざるを得ない情勢になった点もこれまでとは異なる。
■米国は韓日を守ってくれないかもしれない
韓国国防部(省に相当)の宋永武(ソン・ヨンム)長官は31日、国会国防委員会で「北朝鮮との(戦争が起きれば)勝敗は既に付いているのではないかと思う」と述べた。しかし、それは米国の大規模は兵力増派が直ちに伴うことを前提とした計算だ。北朝鮮が米本土を攻撃可能なICBMを開発したことで、これまでの枠組みは通用しなくなる。これまでの韓米、米日同盟のシステムは北朝鮮が韓国や日本を攻撃した場合、米国が共に戦うことを前提として維持されてきた。いわゆる「核の傘」「恐怖のバランス」戦略もそうした関係に基づいている。しかし、北朝鮮がICBMを持てば事情が違ってくる。例えば、北朝鮮が韓国の西海5島に奇襲攻撃をかけて占領した後、韓国と米国に核攻撃を行うと脅せば、米国は反撃ではなく、現状維持を選択する可能性がこれまでよりも高まる。米本土が核攻撃を受ける危険を顧みずに韓国を助けてくれるのかという問題だ。
韓国安保問題研究所の金熙相(キム・ヒサン)理事長(元大統領府国防補佐官)は「全面戦に拡大した場合、いつでも本土への核攻撃を意識せざるを得ず、中国との全面戦争も懸念されるため、みだりに行動することはできないはずだ」と指摘する。成均館大の金泰孝(キム・テヒョ)教授(元大統領府対外戦略企画官)は「米国はこれまで『北朝鮮の脅威から韓半島(朝鮮半島)を守る』という発想で北朝鮮問題に対処してきたとすれば、今後は『米本土の安全保障のために北朝鮮をどう扱うか』という問題へと変わる」と述べた。外交部で次官を歴任した金聖翰(キム・ソンハン)高麗大国際大学院長は「(核の傘の提供を含む)『拡張抑制』は米本土が脅かされる場合とそうでない場合に分かれる。米国は否定するだろうが、本土が脅かされる場合、北朝鮮に対する大規模な核報復はためらわざるを得ないはずだ」との見方を示した。尹徳敏(ユン・ドクミン)元国立外交院長は「一言で言えば、米国がソウルと東京を守るためにロサンゼルスやニューヨークを放置できるかと問題だ」と指摘した。
■米国が独自で動く可能性大
軍事・外交の専門家は「米国はこれまで韓国や日本と相談の上、時間をかけて北朝鮮の核問題を解決してきたが、これからは交渉であれ軍事的な解決であれ、独自に速やかに動くのではないか」と予測する。李相熹(イ・サンヒ)元国防部長官は「米国は北朝鮮がミサイルを撃ち、核実験を行っても、『まだ米国に到達するには程遠い』と考えていた。しかし、現在は差し迫った脅威であることを認識し、戦略的な判断も当然異なってくる」と分析した。千英宇(チョン・ヨンウ)元大統領府外交安保首席秘書官は「米本土に対する脅威があると判断すれば、韓国と日本が反対しても、米国が独自に行動する余地がある」とした。金熙相理事長は「北朝鮮と米国が平和協定を結べば、在韓米軍の撤退が伴うため、その点は韓国が最も懸念すべき部分だ」と語った。
専門家の多くは、一連の変化に対処するためには現実的に韓米同盟をさらに強化する以外の方法が見つからないと指摘する。日本はそういう方向だ。金泰栄(キム・テヨン)元国防部長官は「韓米同盟に忠実であることが重要で、それは互いに信頼できるパートナーになるべきだということだ。独自の核武装は国際社会で韓国が負うべき負担があまりに大きく尚早だ」との意見だ。 朝鮮日報より
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2017年8月1日火曜日
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