2018年7月31日火曜日

中国製薬会社、心臓病の薬を全世界でリコール 原料に発がん物質

中国の製薬会社が、自社の手掛けた原材料を含む心臓病の薬を欧州や北米の薬局から自主回収していたことが31日までに分かった。材料となる「原薬」に微量の発がん物質が含まれていることが確認されたためだという。

中国では、先ごろ大手メーカーの子ども用ワクチンにも不正が発覚し、製薬業界への批判が高まったばかりだった。

問題の原薬は高血圧の治療と心不全の予防に使われる薬の材料となるもので、7月初めに欧州と北米の22カ国を対象としたリコールが実施された。中国政府の29日の発表によると、原薬の中に強力な発がん物質に属する「N-ニトロソジメチルアミン(NDMA)」が含まれていることが分かったという。

この原薬を供給していた浙江華海薬業は30日、上海証券取引所に向けた声明で、問題が判明した直後に各国の当局へリコールを通知したと述べた。

米国では16日にすべての製品の回収を済ませたという。同社は昨年、米国市場で2000万ドルを売り上げている。

動物を使った研究によれば、NDMAは肝臓、腎臓、呼吸器に腫瘍(しゅよう)を発生させる。問題発覚後、中国政府は浙江華海のほか当該の原薬を製造する国内メーカーすべてを対象とした適格審査を実施したと発表した。

中国政府は現在、自国製品の質に対する国内外での信頼回復に向けた取り組みを進めている。CNNニュースより

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