少なくとも88人が死亡したギリシャの山林火災への対応をめぐり、チプラス首相が窮地に立たされている。当局の対応の不備が被害拡大につながったとの批判が広がっているためだ。チプラス氏は「この悲劇の全ての政治的責任を負う」と釈明しているものの、批判を鎮めるのは容易ではない。
29日、被害の集中したアテネ郊外の保養地マティでは追悼式が行われ住民ら数百人が出席し、追悼の祈りをささげた。23日に発生した山林火災の死者数は88人に達した。現地では犠牲者の埋葬が始まった一方で、行方不明者の捜索が続いている。
火災はマティなど十数カ所で起きた。乾燥した気候に猛暑と強風が重なり、被害が拡大したとみられている。原因は特定されていないが、政権側が放火の可能性に言及したことで、かえって「責任回避」との政権への批判が強まった。
反政権メディアは避難指示が発令されなかったことや、山火事への準備不足によって被害が拡大したと政権を非難している。チプラス氏は27日の閣議で「全ての政治的責任を負う」と語ったが、政権としては対応に「間違いはなかった」(トスカス内務副大臣)との見解を維持している。
実際に被害が広がったのは、強風によって短時間で火災が拡大した面が大きい。ただ、緊縮財政に伴う消防の能力低下や松林の手入れ不足、防火・防災の面で不適格な建築の横行など複数の原因も指摘され、平時からの政権の対応を問う声が強まっている。
ギリシャでは遅くとも来年までに総選挙が実施される。欧州連合(EU)による現行の第3次金融支援が8月20日に終了するため、チプラス政権は支援からの「卒業」を有権者にアピールするとみられる。
しかし足元では最大野党・新民主主義党(ND)の支持率が、チプラス氏が率いる急進左派連合(SYRIZA)を引き離している。今回の山林火災によって与党の支持率がさらに低下する可能性があり、ギリシャの政局にも微妙な影を落としている。日経新聞より
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2018年7月30日月曜日
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