文在寅(ムン・ジェイン)大統領の失政にあえぐ韓国経済が今度は、北朝鮮の嘲笑の対象となっている。朝鮮労働党機関紙「労働新聞」が韓国の経済危機を取り上げ、多くの自殺者まで出ていると伝えたのだ。
北朝鮮のプロパガンダは大げさだとしても、文政権の経済政策は現実とかけ離れている。最近では、大幅な最低賃金(時給)引き上げで社会に混乱を引き起こした。今月に勃発(ぼっぱつ)した米中貿易戦争の余波も避けられず、韓国経済は「八方塞がり」との見方が専門家から上がっている。
「経済危機で多くの企業が倒産したり合併される中で労働者が無理に解雇され失業者に転落している」
「経済危機の中で企業経営に失敗した中小企業家、生活難に苦しめられて負債に追われた多くの人が社会現実を呪って自殺している」
韓国メディアによると、22日付の労働新聞はこう韓国の経済状況を報じた。韓国紙、中央日報(日本語版)は同日、「『企業は倒産し労働者は解雇』…北朝鮮に笑われる韓国の経済危機」という見出しで、労働新聞の記事を取り上げている。
韓国銀行(中央銀行)の発表では、北朝鮮の2017年のGDP(国内総生産)は推計で前年比3・5%減だった。マイナス幅となるのは、数十万人とも数百万人とも言われる餓死者を出した1990年代後半の「苦難の行軍」時期の97年以来とされる。
そんな北朝鮮にまで笑われる韓国経済。現在の惨状は、文氏の現実乖離(かいり)した経済政策が引き起こしたとしか言いようがない。
「雇用拡大」を掲げて大統領に当選した文氏だが、雇用状況を示す数値は今年2月から5カ月連続で政府目標を下回った。1月に最低賃金が前年比16・4%増の7530ウォン(約750円)となり、人件費高騰のあおりで雇用増加が進まなかったとみられる。
今月14日には、多くの零細事業者が反発するなか、来年の最低賃金が今年から10・9%増の8350ウォン(約835円)となることが決まった。2年連続の大幅アップを受け、韓国では猛暑にもかかわらず、節約のために冷房を止めるコンビニが続出する騒ぎとなった。
朝鮮日報(日本語版)が23日に報じた韓国中小企業中央会の調査によると、宿泊・外食業など流通・サービス業の自営業者や零細事業者300人の74・7%が、来年の最低賃金に対して「持ちこたえるのが難しい」と回答した。
現在の経営状況についても75・3%が「今年上半期の減収で経営危機だ」と答えた。「経営危機」と答えた人に「危機を打開するための対応策」を聞いた質問(複数回答)では、53・1%が「従業員削減」、29・2%が「コスト削減」、13・3%が「値上げ」を挙げた。
文氏としては、国民所得を上げることで内需を拡大し、韓国経済を成長させようとする狙いがあるのかもしれないが、打つ手がことごとく裏目に出ている感がある。
大手商社「豊田通商」で韓国担当を務めた経験がある朝鮮近現代史研究所の松木國俊所長は、「文氏の経済政策には財政的な裏付けがなく、韓国の文化、伝統、習慣に即していない。例えば、創造的なベンチャー企業を育成して新しい経済の活路を開くことを主張しているが、韓国では大企業に人材が集中し、ベンチャー企業に集まらないため無理がある」と説明する。
ただでさえ苦境の韓国経済だが、さらなる懸念材料は7月に米中間で始まった貿易戦争だ。韓国メディアでも影響は甚大との見通しが報じられている。
松木氏は「貿易戦争で中国のものづくりに相当大きな影響が出るが、韓国はかなりの中間財を中国に収めている。韓国自体の経済政策もさることながら、世界の貿易戦争に巻き込まれて中国向けの輸出が激減する可能性がある。日本よりも韓国の方が貿易戦争の被害が大きいことが見込まれる。韓国経済は八方塞がりの状況だ」と話した。夕刊フジより
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2018年7月26日木曜日
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