2018年7月27日金曜日

文政府に「外交課題」、ラオスのダム決壊は国同士の問題に発展も

2018年7月27日、韓国のSK建設がラオスに建設中の大型ダムの一部が決壊し、大規模な被害が発生している。これについて、韓国・時事ジャーナルeは「国家的問題に発展する可能性が高い」と伝えている。

現地時間23日午後8時ごろ、SK建設がラオス南部のアッタプー県に建設中のセピエン・セナムノイダムの補助ダムが決壊し、約50億リットルの水が放流された。これにより6つの村が浸水。多くの死者、行方不明が出ている。

今回の惨事について、記事は「単純にSK建設だけの問題でなく、韓国とラオスの国同士の問題にまで広がる見込み」と伝えている。韓国の
文在寅(ムン・ジェイン)大統領は事故発生後、「救護チームの派遣など、政府レベルの強力な救護対策を立てよ」と指示した。事故の経緯に関係なく、迅速に救護決定したことは「適切だった」との評価を受けているという。

また「今回の問題は韓国政府が外交力を十分に発揮しなければならない事案」と分析する声も出ている。明知大学政治外交学科のシン・ユル教授は「ダム関連事業にはタイやラオスなど利害関係者が複数いるが、SK建設以外の関係者が同じ立場をとる可能性が高い」とし、「SK建設の手に負えない状況にもなり得るが、ただでさえ苦しい経済状況を考えると、原因の究明だけでなく、政府の外交的な交渉力が非常に重要な状況」と主張した。これについて、記事は「事態が収拾できないほど拡散する前に外交力を発揮する必要があるということ」と説明している。

一方、SK建設は「事故は自然災害によるもの」と強調し、事態の収束に当たろうとしている。「ダムが完全に崩壊したのではなく、異例の豪雨によりダムの上部が流され、水があふれた」との立場だ。ただ業界では「一部流失だとしても、今回の事故でSK建設が100%責任を免れることは難しい」との見方が強いという。また、業界では「もしSK建設の過失が明らかになった場合は、天文学的な賠償をしなければならない」と予想されている。


遺族に対する補償額はさほど高くないが、生存者への賠償と地域復旧作業には「莫大な費用がかかる」とみられている。SK建設は、SKグループ系列社の持分を整理する一環として今年の上場を準備してきたが、「今回の事故により事実上難しくなった」との分析も出ているという。

これに関し、韓国のネットユーザーからは「なぜ政府が企業の尻拭いを?人災なら企業が賠償、天災なら仕方がない」「SKが起こした事故を国民の税金で収拾するつもり?」「文大統領はなぜか、外国が絡むと積極的に行動する。まずは韓国の国民から救って」「SKはお金持ちだから大丈夫」など、政府の介入に否定的な声が多く寄せられている。

一方で「韓国の信頼に関わる問題。大統領が解決すべき」「韓国の大統領が韓国の企業を助けるのは当然のこと」との主張も見られた。レコードチャイナより

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