2018年3月20日火曜日

ネコ用人工血液を開発

中央大学理工学部 教授 小松晃之の研究チームが、ネコ用人工血液の開発に成功しました。

小松らは、まず遺伝子組換えネコ血清アルブミンを産生し、X線結晶構造解析からその立体構造を明らかにしました。さらに酸素輸送タンパク質であるヘモグロビンを遺伝子組換えネコ血清アルブミンで包み込んだ形の(ヘモグロビン-組換えネコ血清アルブミン)クラスター(製剤名:ヘモアクト-FTM)を合成し、それがネコ用人工酸素運搬体(赤血球代替物)として機能することを明らかにしました。

人工酸素運搬体は輸血液の代わりに生体へ投与できる人工血液となります。なお、JAXAは、解析に使用した遺伝子組換えネコ血清アルブミンの結晶化にあたり、国際宇宙ステーション「きぼう」日本実験棟で行われている、タンパク質結晶化実験機会の提供と結晶化、構造解析を担当しました。
 

動物医療の現場が抱える深刻な輸血液不足の問題を解決する革新的な発明であり、動物の輸血療法に大きな貢献をもたらすものと期待されます。
 

本研究成果は、3月19日(月)に英国王立化学会の学術誌「ジャーナル・オブ・マテリアル・ケミストリーB(Journal of Materials Chemistry B)」の電子版(Accepted Manuscript)に掲載されました。JAXAより

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