2017年8月16日水曜日

米軍“最後通告”目前! 佳境迎える米朝チキンレース

安倍晋三首相は15日、ドナルド・トランプ米大統領と電話首脳会談を実施。弾道ミサイルの発射予告で、日米を威嚇する北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)政権の対処方法について、協議を進める。米政府内では「北朝鮮が、米国に(ミサイルを)発射すれば、直ちに戦争に発展する」(ジェームズ・マティス米国防長官)などと軍事力行使を示唆しながら、北朝鮮に外交的解決(核・ミサイルの放棄)を呼びかける動きが続いている。「世界最強の米軍」による“最後通告”を前に、正恩氏は虚勢を張りながらも、弱気とも受け取れる発言を行った。「平和か戦争か」。終戦の日も、極度の緊張は続いている。

「許し難い挑発行為を実行させないことが重要だ」

安倍首相は、トランプ氏との電話会談に先立つ14日、官邸で、島根、広島、愛媛、高知4県の知事と会談し、こう述べた。

米領グアム沖への弾道ミサイル発射計画を明らかにしている北朝鮮は発射の際、島根、広島、高知などの上空通過を予告している。

4県知事は、ミサイル発射兆候の情報提供や、万が一、被害が発生した場合の国による措置を要請。安倍首相は「政府の最も重い責任は国民の生命を守り抜くことだ。われわれは今後も全力で取り組んでいく」と約束した。

電話首脳会談では、弾道ミサイル発射阻止に向け、日米両政府の結束の重要性を改めて確認。北朝鮮への経済圧力強化に向けて、国連安全保障理事会で採択された新たな制裁決議の履行徹底を、国際社会、特に中国やロシアに対して求めていくことを協議する。

日に日に緊迫化する朝鮮半島情勢に対応するため、米軍幹部や米国政府内の動きも活発化している。

マティス氏は14日、国防総省で記者団に対し、北朝鮮のミサイルがグアムに着弾すると判断すれば、「(迎撃ミサイルで)破壊する」と述べ、発射の場合は「非常に早く戦争に発展する可能性がある」と、即時反撃を明言した。

グアムのエディ・ガルボ知事も14日、AFP通信に対し、「金正恩は、非常に強力な武器を持ったいじめっ子だ」といい、「いじめは時に、鼻っ面を殴らないと止められない」と述べ、北朝鮮への軍事的対処を肯定した。

ただ、軍事オプションの使用となった場合、米軍兵士や韓国在住の米国人に多大な被害が出ることが予想される。米政府はかつて、朝鮮有事が勃発した場合、韓国人100万人以上と、米国人10万人以上が死亡する可能性があると試算したとされる。

このため、トランプ政権内では、武力行使の可能性を排除はしないものの、外交的手段や経済制裁による事態打開を模索している。

東アジアを歴訪中の米軍制服組トップ、ジョセフ・ダンフォード統合参謀本部議長は14日、ソウルで記者会見し、北朝鮮への先制攻撃論について「時期尚早」との認識を示し、現時点では外交・経済面で圧力をかける政策に変更はないことを強調した。

マティス氏とレックス・ティラーソン国務長官は、14日付の米紙ウォールストリート・ジャーナルに連名で寄稿した。

その中では、北朝鮮が核兵器を使用すれば「効果的で圧倒的な対抗」措置を取ると警告しながらも、核実験やミサイル発射などの挑発行為を即時停止する「真摯(しんし)な」態度を取れば、米国政府に対話の意思があることを改めて表明した。

米国側の動きに反応したのか、約2週間にわたって公開活動が伝えられなかった正恩氏が動いた。朝鮮中央通信によると、正恩氏は14日、グアム攻撃計画を進める朝鮮人民軍戦略軍司令部を視察したというのだ。

正恩氏は、ミサイル発射計画の報告を受け、「米国がわれわれの自制力を試して朝鮮半島の周辺で引き続き危険極まりなく妄動するなら、重大な決断を下す。世界の面前で、われわれにまたもやたたかれる恥をかかないようにするには、理性的に考えて正確に判断すべきである」と発言。

さらに、「米国の無謀さがラインを越え、計画した威力示威射撃が断行されるなら、わが火星砲兵がヤンキーの首を締め付けて首に匕首(あいくち)を突きつける、最も痛快な歴史的瞬間になるだろう」と語った。

どちらが「妄動」しているのかと突っ込みたくなる、謙虚さも知性も感じられない正恩氏の発言だが、一方では「ヤンキーの行動をもう少し見守る」とも発言した。

冷静に軍事力や経済力を分析すれば、北朝鮮がミサイル恫喝(どうかつ)で米国を屈服させる可能性は極めて少ない。脅しをかけながら、米国の譲歩を引き出そうとする「瀬戸際戦術」といえそうだ。

だが、そんな恫喝に屈しては、米国は今後、世界の無法国家やテロリストからなめられ、脅され続ける。

批判合戦がエスカレートする米朝関係はどこに行き着くのか。米朝のチキンレースは、クライマックスを迎えようとしている。  夕刊フジより

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