2018年11月22日木曜日

仁徳天皇陵で円筒埴輪列を確認 築造に数十年のずれか

国内最大の前方後円墳で百舌鳥(もず)・古市古墳群の一つ、仁徳天皇陵(大山(だいせん)古墳、堺市堺区)を調査している宮内庁と堺市は22日、墳丘を囲む堤(つつみ)で1列に並んだ円筒埴輪(はにわ)や石敷きが見つかったと発表した。同古墳で円筒埴輪列が確認されたのは初めて。

日本書紀などから仁徳天皇は4世紀末に死去したともいわれるが、埴輪は5世紀前半~中頃の特徴を持ち、数十年のずれがあるとの指摘もある。仁徳天皇陵では以前も同時代の埴輪が見つかっており、築造された時期や被葬者をめぐる議論が熱を帯びそうだ。

墳丘を囲む2つの堤のうち、内側の第1堤の南側に調査区(幅2メートル、長さ30メートル)を3カ所設置。地表から20~40センチ掘り下げると、各調査区で直径約35センチの円筒埴輪4~5本が接するように並んでいた。いずれも基底部だけで、上部は割れて失われていた。

今回の調査地の約100メートル西では昭和48年に同時代とみられる円筒埴輪1本が出土していた。このことを合わせて考えると、埴輪列が堤を1周するように約2.6キロにわたって7千本以上が立てられたと推定できるという。

ただし、埴輪列があったのは堤の外縁部だけで、墳丘寄りの内縁部では確認されなかった。大型古墳では堤の両側に埴輪を並べるのが一般的。仁徳天皇陵では当初から内縁部に埴輪列がなかったか、墳丘を囲む周濠(しゅうごう)の水による浸食で埴輪列や堤の一部が崩落した可能性もあるという。

一方、堤にはこぶし大の石が敷き詰められていた。堤で石敷きが確認されたのは、仁徳天皇陵がある百舌鳥古墳群では初めて。堤を荘厳に見せるためだったともみられる。

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