悪天候にも韓半島(朝鮮半島)の様子を精密に観測できる多目的実用衛星「アリラン6号」の打ち上げが2021年以降に再びずれ込むことになった。昨年に続き2回目だ。当初の打ち上げ日程(2019年8月)よりも2年ほど先延ばしになり、韓半島独自監視能力の確保という目標達成にも支障が出る見通しだ。
19日、業界によると、欧州エアバス社は、最近、アリラン6号開発事業を総括する韓国航空宇宙研究院(航宇研)に合成映像レーダー(SAR)の納品を当初の計画から11カ月先の2019年7月までに延ばすよう要請してきた。衛星の「目」に相当するSARは地上の物体を0.5メートル単位で識別できるコア部品だ。
エアバスは昨年も航宇研に納品期日の変更を申し入れ、当初昨年7月だった期限を今年8月に13カ月遅らせた。これに伴い、衛星打ち上げの時期も2019年8月から2020年9月に変更となった。今回再びエアバス社の納品が延期になる場合、衛星の打ち上げは2021年2~8月に可能になる。
航宇研はロシアのロケット企業である国際発射体サービス(ILS)との契約上、2021年3月までに衛星を打ち上げなくてはならず、苦しい立場に置かれている。エアバスが納品期間を11カ月延長することになると、衛星は2021年5月に組み立てが完成し、打ち上げは契約期間を越えて2021年8月に可能になる。航宇研関係者は「エアバスが2回も納期を破った。徹底した真相究明が必要だ」と話した。
エアバス社の納品遅延にともなう影響はLIGネクスウォンにも出ている。航宇研がエアバスでなく搭載体の組み立てを担当しているLIGネクスワンと契約しているためだ。航宇研はLIGネクスワン側に約100億ウォン(9億9000万円)の遅滞賠償金を課す計画だ。LIGネクスワンはエアバス社に求償権を行使して損害賠償を要求する考えだが、事業の推進が円滑ではなく、困った状況に置かれることになった。衛星本体を担当している韓国航空宇宙産業(KAI)とロケットエンジンを作る(株)ハンファ、熱制御機器を製造するトゥウォン重工業などは正常に製作をしているが、エアバスに足を引っ張られて搭載体の納品ができずにいるためだ。
今年1月、軍偵察衛星開発事業優先交渉対象者に選ばれたLIGネクスワンは、入札当時に提示した目標性能を国防科学研究所(ADD)が後日低めたことが問題になり、最終契約も難航している。
LIGネクスワン関係者は「今回の衛星に装着するSARはエアバスも初めて開発する先端技術なので試行錯誤が避けられない」としつつも「失敗経験に基づいてより良い成果が出るように助力したい」と伝えた。中央日報より
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2018年3月20日火曜日
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