ユーロ圏は道を外しそうだ。ギリシャ債務問題は、通貨ユーロの存続が危ぶまれるほど制御不可能な状態にある。不明瞭さや言い逃れ、約束破棄がない交ぜになったこれまでのユーロ圏の戦略は、完全な失敗に終わっている。そのため、市場では現在、ギリシャのデフォルト(債務不履行)は避けられな いとみられており、ユーロ圏がこの結果に備えて断固たる行動を取らない限り、今なお同通貨圏にわずかながら存在する希望すら消えてしまうだろう。
ギリシャ危機に対処するためにユーロ圏がこれまで講じてきた戦略はシンプルなものだった。ギリシャにはびこる税金逃れの文化を是正するとともに、競争力を強化する対策を実行するよう同国に厳しい条件を提示し、同国がそれを満たすとの条件で、財政赤字を穴埋めするための金融支援を続けるというものだ。
ギリシャがその条件を満たしている限り、ユーロ圏は同国の基礎的財政収支(プライマリ―・バランス)が黒字になるまで、デフォルトを回避できるよう支援を続ける姿勢を取ってきた(基礎的財政収支が黒字になれば、同国の債務再編は実行が容易になる)。さらに、ユーロ圏はできれば、その他の高債務国が財政再建を進めるとともに銀行に公的資金を注入し、危機の拡散リスクを最小限に抑えるようギリシャ支援を続けていく意向だった。
しかし、この戦略は現在のところ、失敗に終わる公算が大きい。ギリシャ政府は即時のデフォルトを回避するだけで精一杯だ。同政府は先週、財政赤字穴埋めのために不動産税の導入を決定したが、これは、ギリシャ救済のトロイカと呼ばれる欧州連合(EU)、国際通貨基金(IMF)、欧州中央銀行(ECB)の3機関による支援の次回融資を実現するためだった。この融資が実行されなければ、ギリシャ政府の資金は10月に底をつく見通しだ。
しかし、ギリシャは救済の条件となる目標の達成には程遠い状況にあり、トロイカがそれを無視できるのもそろそろ限界に来ている。財政赤字の対GDP(国内総生産)比率は目標より2.5%ポイント上回る見通しだ。さらに、国営企業の民営化も公式計画からかなり遅れており、構造改革も軌道に乗っていない。
また支援実施の条件となっていた銀行が自主的にギリシャ国債の借り換えに応じるプログラムについても、銀行の90%の受け入れが求められているにもかかわらず、その目標を達成できそうにない。
市場はもうだまされない。ギリシャがデフォルトに陥るとみている。したがって、市場の懸念は、損失がどのくらいの規模になるのか、だれがそれを負担するのか、ユーロ圏にはデフォルトの拡散を食い止める戦略があるのかという点に移っている。
現時点ではっきりしているのは、域内の銀行システムがデフォルトに耐えうるだけの十分な資本を有していないということである。そのため、ここ数日はギリシャ向け融資が最も大きいフランスの銀行に注目が集まっている。
ユーロ圏の銀行をギリシャのデフォルトの悪影響から保護し、ユーロ圏の他の非中核国の債務問題による損失にも耐えることができると市場を安心させるためには、これから数日間中に域内の銀行システムに大規模な資本注入が不可欠である。
(ウォール・ストリート・ジャーナルより)
このブログで書いたことが現実化しそうである。市場関係者はギリシャは破綻している状態である認識が広がりつつある。欧州連合はギリシャのデフォルトの損害・影響をどれほどに小さくするかに、シフトとしているといっても言いようである。ヨーロッパ発の金融危機が間近に迫っている状態である。いくら欧州中央銀行(ECB)や国際通貨基金(IMF)が融資をしても、ザルに水を流すようなものである事は前にも書いたが、ほぼこれに近い状態が、今も続いているのではないかと思われる。ギリシャの国民は税金の高負担に耐えられるのか、疑問符が付く。付加価値税を上げればそれを納税しないという観光業界や飲食業も団体も出てきている。その前に、観光業界や飲食業が廃業の憂き目に遭うかもしれない。脱税も是正されていないのに、国の収入が伸びるわけはない。10月がキーポイントの月である。
国際金融恐慌の発生か、それだけはご勘弁願いたいと個人的には思うのだが、現実化しそうな雲行きである。
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2011年9月18日日曜日
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