2011年9月4日日曜日

乱調 世界経済(前回の続き)

米国経済は現在、経済危機の後、順調な回復軌道に乗っていません。7月の失業率は9.1%。今年3月には8.3%の水準まで下げることに成功しましたが、その後一向に改善の傾向にありません。オバマ大統領自身、回復の遅さを率直に認めざるを得ません。

住宅バブル崩壊

21世紀に入ってからの米国の景気高揚は、住宅価格屋株式価格の急騰に支えられ、個人消費と住宅投資が異常に拡大しました企業の固定資本投資や米国の輸出拡大によって形成されたものではありませんでした。投機に酔った米国経済は、住宅バブルの崩壊に始まる金融危機によって、奈落の底に沈んでいったのです。
復興法による緊急対策として財政政策は、2年で打ち止めです。財政赤字を叫び続けるティーパーティ(茶会)勢力が拡大し、8/2日に成立した債務上限引き上げ法でも、今後10年で2兆4000億㌦の財政赤字削減をしなければならなくなりました。

緩和政策取れず

米連邦準備制度理事会は、金融危機以来、金利引き下げを図り、現在ゼロ金利政策を継続中です。金利政策によってこれ以上の緩和政策をとることは出来ません。残るは、連邦準備銀行が金融資産を購入して預金準備の増加を図る政策をとることです。
連銀のバランスシートは、財務省証券や政府支援企業債権、不動産担保証券の買い取りによって、膨れに膨れています。2010年11月初めには、、追加的量的緩和政策の開始によって、10年未満の財務省証券を集中的に買い入れました。いわば、民間の不良債権を含めて、公的金融機関が債務の肩代わりしている状況が続いているのです。
さらなる量的緩和政策については、バーナキンな金議長の判断が鍵を握っているといわれていますが、実体経済の活性化がともわない限り、失業率の減少やGDP(国内総生産)の着実な成長につながることはありません。
オバマ政権の苦境は、現在とられている経済政策が復興法の第3の原則「生産性と成長を高める永続的な資本投資」に結びついていないところから引き起こされているといえるでしょう。
オバマ大統領は、今年の大統領経済報告で次のように述べました。「未来を勝ち取る最初のステップは、米国のイノベーションを鼓舞することだ。究極的にそれは、自由な企業体によって行われよう。しかしながら、公的支援も革新的研究や開発に重要な役割を果たす」。そして、あたらな技術革新による企業活動の活発化によって、輸出を09年から14年までに倍増させる計画を国民に約束しました。

環太平洋連携協定(TPP)を重視

米国は11月にハワイで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)までに環太平洋連携協定(TPP)に参加し、米国に都合の良い(TPP)に作り替えるべく具体的作業に入っています。アジア太平洋経済協力会議がもっとも米国からの輸出が伸びている地域だからです。
大統領経済報告は、米国にとっての(TPP)の重要性を次のように述べています。
「オバマ政権は、(TPP)を通じて、アジア諸国に対して貿易障壁を削減し、米国の輸出企業への市場開放するよう説得する事を一層重視している」

米国の経済もなかなか回復基調にのらない状態である。失業率が高止まり状態、金融対策もお手上げの状態である。技術革新や革新的な研究成果が出てくることで経済の活性化を目指そうとしているが、そうそう、革新的技術が生まれるものではない。

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