2018年9月3日月曜日

南北連絡事務所設置で韓米関係悪化の可能性も

韓国大統領府は開城工業団地内に南北共同連絡事務所を設置する方針を今月初めに発表したが、これによって米国との関係に対する懸念が広がっている。米国政府はこれまで韓国政府に対し、直接・間接に連絡事務所の設置に否定的な見解を伝えてきた。連絡事務所に持ち込まれる石油製品などのエネルギーや機械設備など、複数の物品が対北朝鮮制裁違反となる恐れがあるからだ。このような状況で韓国大統領府が一方的に連絡事務所を設置した場合、韓米両国の対立が一気に表面化するとの見方もある。

ある韓国政府筋は2日、連絡事務所を巡る米国との話し合いについて「特別な成果はないが、引き続き協議中だ」とした上で「設置の日時が正式に決まったわけではないので、それまでは米国との話し合いを続ける」と明らかにした。これは「連絡事務所は制裁に違反していない」と主張する韓国政府に対し、米国が今なお同意していないことをにじませる発言だ。

米国はこれまで連絡事務所など南北関係改善に向けた動きについて「北朝鮮における非核化の進行状況に合わせるべきだ」と韓国側に何度も要求してきた。米国政府のある高官は先月17日(現地時間)に本紙とのインタビューで「(開城の連絡事務所設置は)国連制裁に違反しているだけでなく、米国による独自制裁にも違反する恐れがある」と指摘した。米国務省は先月31日にも「南北関係の進展は必ず非核化と歩調を合わせるべきだ」とコメントした。

韓国政府は先月、米国のポンペオ国務長官の平壌訪問が取りやめとなった際、8月中の連絡事務所設置計画をいったん延期した。しかし韓国政府と与党関係者の間では「いつまでも延期するわけにはいかない」との声も根強い。ある外交筋は「大統領府の鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長が連絡事務所設置の方針を明らかにしたのは、党、政府、大統領府による全員会議での席上だった」「つまり鄭室長は大統領府と与党・共に民主党の雰囲気を伝えたことになる」とコメントした。

今月予定されている南北首脳会談を前に、北朝鮮が「4月27日の板門店宣言」を実行に移すよう強く求めているのも韓国政府としては負担だ。大統領府の金宜謙(キム・ウィギョム)報道官も「連絡事務所設置の日時は今回特使団が訪朝した際に決まりそうだ」との見方を示した。

ただし文在寅(ムン・ジェイン)大統領による北朝鮮への特使派遣については米国とある程度調整済みのようだ。与党の一部では「特使が一定の成果を持ち帰った上で、米国にこれを説明すれば、連絡事務所を巡る韓米間の意見の違いを狭めることができるだろう」と期待する声も上がっている。朝鮮日報より

0 件のコメント:

コメントを投稿

日産ケリー前代表取締役の保釈決定 保釈金7000万円 東京地裁

金融商品取引法違反の罪で起訴された日産自動車のグレッグ・ケリー前代表取締役について、東京地方裁判所は保釈を認める決定をしました。検察はこれを不服として準抗告するとみられますが、裁判所が退ければ、ケリー前代表取締役は早ければ25日にもおよそ1か月ぶりに保釈される見通しです。一方、...