2018年9月24日月曜日

北海道地震で周辺国の偵察機が飛来、空自が対処していた

愛媛県憲法改正国民投票連絡会設立大会が22日、松山市居相の椿神社会館で開かれ、同県出身の元空将、織田邦男(おりたくにお)氏が講演した。織田氏は「自衛隊にリスペクト(敬意を表すこと)がない」と、自衛隊をめぐる憲法改正問題の本質を鋭く指摘した。

主催は実行委員会(共同代表、山本順三氏・加戸守行氏)で、織田氏は「憲法に自衛隊を明記する意義-元自衛官の立場から-」の演題で話した。

織田氏は昭和49年、防衛大学を卒業し航空自衛隊に入隊。F4戦闘機のパイロットとして第6航空団勤務などを経て、平成18年、航空支援集団司令官としてイラク派遣航空部隊指揮官を兼任。21年に退官した。

航空自衛隊の活動と抑止力について、織田氏は北海道で今月起きた地震の影響による2日間にわたる大規模停電を例に、「国民の多くは知らないが、周辺国の偵察機がガンガン飛んできた。これに対し、航空自衛隊は何事もなかったかのように対処した。こういうことが抑止力になる」と紹介した。

尖閣諸島海域の状況についても、「日本が実効支配していなければ日米安保の対象にならない」として、海上保安庁や空自が常時対処している実態を述べた。「空自の場合、中国が出てくると分かったらスクランブル発進して、常に中国機より先に尖閣の上にいなければならない」。年間1千回に及ぶ緊急発進の様子を語り、「国を守る自負がなければ戦闘機には乗れない」と話した。

「国防は最大の社会福祉」として日々、活動する自衛隊。しかし、織田氏は「国民のリスペクトがない」と実感を述べた。イラク派遣の指揮官時代の経験を披露し「憲法違反の自衛隊反対、イラク派遣反対と書かれた横断幕を見て切なかった。イラクへ行く隊員がかわいそうだった」と振り返った。

度重なる災害派遣で自衛隊に対する国民意識は変わり、92%が支持となっている。だが、織田氏は「迷彩服は人殺しの象徴とか、自衛隊のカレーは食べないと反対する人がいる。隊員は被災者のために温かいカレーを作り、自分たちは缶飯を食べているのに」と嘆き、自衛隊がリスペクトされない原因として「憲法学者の多くが違憲としている」と、憲法問題に行き着くと述べた。

「士気の高い、質の高い隊員が入ってしっかりやる。これが抑止力になるのだが、景気回復で自衛隊に若者が入ってこない。定員を満たせない状態。このままでは先細りになる」と実情を紹介し、憲法改正の国民投票により議論が深まることを期待。「ガンガン議論して、問題点がどこにあるか知ってほしい」「日本の安全と平和を守るため、自衛隊は頑張っている。国民みんなで支え、育てていくことを考えないといけない。隊員に会ったら『ご苦労さん』と一言、言ってください」と会場に呼びかけた。

連絡会は安倍晋三首相が提案している自衛隊を憲法に明記することなどを軸に今後予想される国会発議から国民投票実施を視野に、議員と民間組織が連携して全国的に衆議院の小選挙区ごとに設立。愛媛では第1区~第4区でこの日同時に発足した。
infoseek newsより

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