2018年9月29日土曜日

ポンペオ国務長官「ここまで導いた力を忘れるな」と制裁緩和を一蹴

来月、4度目の訪朝をするポンペオ米国務長官が、自身が主宰した国連安全保障理事会会議で「非核化の後に制裁緩和」に固守し、北朝鮮が望む段階的な制裁緩和を事実上一蹴した。中国とロシアの外相は「制裁緩和」を主張し、米国に対抗した。

ポンペオ氏は27日(現地時間)ニューヨーク国連本部で北朝鮮の非核化を主題に開かれた安保理閣僚級会議を開き、「北朝鮮の核と弾道ミサイルの開発を中止させるための過去の外交的試みは成功的ではなかった。しかし、今私たちは未来の夜明けにいる」と楽観論を展開した。

トランプ米大統領と金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の6月のシンガポール首脳会談後、非核化の転換点に入ったことを公式化したのだ。

しかし、米朝交渉の実務責任者であるポンペオ氏のメッセージは、正恩氏の非核化の意思を高く評価したトランプ氏のメッセージとは違い、制裁の維持が強調された。

ポンペオ氏は「何がここまで来させたのか忘れてはならない」とし、「北朝鮮の最終的な非核化が達成され、完全に検証されるまで、北朝鮮に対するすべての国連安保理決議を完全に履行しなければならない」と強調した。北朝鮮が望む段階的、同時的措置を事実上一蹴したのだ。

そして矛先は中国とロシアに向かった。ポンペオ氏は、「今年の(北朝鮮の石油の搬入の)上限である50万バレルを超えた」とし、「国連決議で禁止した船舶間の瀬取りにより石油の不法輸入が目撃されている」と警告した。

さらに、「安保理理事国が含まれた国連加盟国が北朝鮮労働者を受け入れている」とし、「これは、全会一致で支持した安保理決議案と精神に反する」と批判した。

これに対して、ロシアのラブロフ外相と中国の王毅外交部長は「制裁緩和」を強調し、米国に対抗した。ラブロフ氏は、「制裁が集団体罰に利用されてはならない」とし、「北朝鮮の漸進的な軍縮措置に伴って制裁を緩和しなければならない」と主張した。

今月、ロシアの企業1社と中国の企業に制裁をした米国の二次的制裁についても、加盟国の主権を傷つける「不法な措置」と批判した。北朝鮮経済プロジェクトに対する制裁緩和を求める案を用意するとも述べた。王氏は、「北朝鮮に対する圧力が目標ではないというのが中国の確固たる立場」とし、「制裁履行と政治的解決法は同等に重要だ」と強調した。

そして「適切な時に北朝鮮の措置にともなう制裁修正を考慮しなければならない」と求めた。

米紙ニューヨーク・タイムズは、「経済制裁が維持されなければならないというポンペオ氏の主張が北朝鮮を刺激している」とし、「北朝鮮が(ポンペオ氏に比べて)協調的なトランプ氏を直接相手にすることを望んでいる」と分析した。東亜日報より

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