韓国・文在寅大統領が置かれている状況は、他国とは比べものにならないくらい苛酷だ。
アメリカの外交当局者とやりとりしている人間の間で最近、誰の目にも明らかになってきたことがある。米韓関係の行く末を不安視する声が急速に広まっているのだ。
一見すると、米韓関係は良好だ。韓国の文在寅大統領はアメリカのドナルド・トランプ大統領を褒めちぎり、トランプ大統領の北朝鮮政策を持ち上げるだけでなく、良好な2国間関係を維持しようとあらゆる手を打っている。国際貿易の専門家からは、韓国は通商面でもトランプ大統領の要求に異例の譲歩姿勢で応じている、といった見方も出ている。
米韓はこのままいくと衝突する可能性
文大統領はもちろん、米韓関係を危機にさらしたいと考えているわけではない。無用な緊張を避けられるのであれば、かなり大きく譲歩することすらいとわないスタンスだ。ただ、客観的にいって、韓国とアメリカはこのままいくと衝突する可能性がある。北朝鮮をめぐる双方の国益が明らかにずれてきているからだ。アメリカ政府内で米韓関係の行く末に懸念が強まっているのは、理由のないことではない。
アメリカ政府が北朝鮮を重要視するのは、核を手にしているからにほかならない。はっきり言って、それ以外にアメリカが北朝鮮を相手にしなければならない理由などない。核さえなければ、遠く離れた、どうでもいい小国にすぎないからだ。しかし、北朝鮮はロシア、中国に次いで、アメリカ本土を核攻撃できる世界第3の国になろうとしている。アメリカが快く思わないのは当然だ。つまりアメリカの北朝鮮政策は、ほぼ核問題一本に絞られているといってよい。
だが、韓国にとって核問題とは、南北が分断していることから派生してきた数ある問題のうちの1つでしかない。また韓国では、核問題が必ずしも今にも爆発しそうな圧倒的緊急課題と考えられているわけでもない。確かに、長い目で見れば北朝鮮の核兵器は韓国を制圧する目的で使用される可能性もなくはない。しかし、このようなシナリオが現実化する確率はどちらかといえば低い。近い将来に核攻撃が行われる可能性が低いことは、もっとはっきりしている。
一般に想像されているほど、韓国は北朝鮮の核に脅威を感じてはいないということだ。韓国政府は表向き平和的な統一や非核化、その他ほぼ実現不可能な素晴らしい展望を口にしてはいるが、本音では北朝鮮をなだめながら平和と安定、つまり現状を維持することが最優先課題だと考えている。現状維持のために核問題に目をつむらなければならないのだとしたら、それはそれで仕方がない、というスタンスなのである。
確かに、米韓に横たわる認識のずれや国益の違いは昔から存在していた。しかし、トランプ大統領と文大統領が両国のトップになったことで、矛盾は以前にも増して目立つようになってきた。
もちろん、トランプ大統領は同盟国の国益を考慮するような人物ではない。韓国政府がいくら抵抗を試みたとしても、アメリカ政府のスタンスを変えることなどできないだろう。だが、このような事態となれば、米韓の同盟関係には大打撃となる。
つまり、アメリカと韓国が衝突するのではないかという政策当局者の心配は絵空事ではない。米韓首脳の思想的傾向や性格の違いにも原因はあるが、それ以前に双方の国益がそもそも大きく食い違っているからだ。東洋経済より
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
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