2018年9月30日日曜日

今年のノーベル賞、2年ぶり日本人に期待 森和俊氏・神谷信夫氏ら

今年のノーベル賞は10月1日の医学・生理学賞を皮切りに順次、発表される。2年ぶりとなる日本人の受賞はあるのか。各賞の有力候補を探った。

■医学・生理学賞 10月1日

日本人で最も有力視されるのは京都大の森和俊教授(60)。細胞内のタンパク質の品質管理を担う「小胞体ストレス応答」という現象の仕組みを解明した。医学賞の登竜門とされるラスカー賞、ガードナー国際賞を受賞済みだ。

免疫学が対象となった場合は京大の本庶佑(ほんじょたすく)特別教授(76)に期待がかかる。がん免疫治療薬「オプジーボ」のもとになるタンパク質を発見し、患者に光明をもたらした。免疫を抑える「制御性T細胞」を発見した大阪大の坂口志文(しもん)栄誉教授(67)も評価が高い。

■物理学賞 2日

物質の性質を研究する分野での受賞が予想される。世界最強のネオジム磁石を開発した大同特殊鋼顧問の佐川真人氏(75)、電気と磁石の性質を併せ持つ「マルチフェロイック物質」を開発した東京大の十倉好紀(よしのり)教授(64)、鉄系の超電導物質を発見した東京工業大の細野秀雄教授(65)が期待される。

極微の世界を探る量子力学の分野から選ばれる場合は、東大の古沢明教授(56)が有力だ。桁違いの高速計算が可能となる量子コンピューターの基礎技術を開発した。

■化学賞 3日

生化学の分野から選ばれる可能性が高い。植物の光合成を担うタンパク質の構造を解明した大阪市立大の神谷(かみや)信夫教授(65)、中国籍の沈建仁(しんけんじん)・岡山大教授(56)が有望だ。

分子が自発的に集まる「自己組織化」の研究で知られる東大の藤田誠教授(61)は今年、著名なウルフ賞を受賞し有力候補に躍り出た。微細な穴を持つ新材料を開発した京都大の北川進特別教授(67)も期待が大きい。

有機物を効率的に合成する触媒を開発した中部大の山本尚(ひさし)教授(75)は昨年、日本人で野依良治氏以来となる米国化学会の賞を受け、注目されている。

■経済学賞 8日

日本人が唯一、受賞していない部門。有力候補は米プリンストン大の清滝信宏教授(63)。土地や住宅など資産価格の下落という小さな変動が、経済全体を停滞させ不況を長期化させる仕組みを解説した「清滝・ムーアモデル」で知られる。

■平和賞 5日

ノルウェーのオスロ国際平和研究所は国連世界食糧計画(WFP)や、紛争地での性暴力の被害者救済に取り組むコンゴ(旧ザイール)の医師、ムクウェゲ氏らを有力候補に挙げた。

同研究所のウーダル所長は産経新聞の取材に、「WFPはシリアやイエメンなど飢餓が続く紛争地域で食糧援助し、人道支援の先駆けとなった」と話した。

世界的広がりを見せたセクハラ告発運動「#MeToo」(「私も」の意)創始者のタラナ・バーク氏らも候補に挙がっている。

英ブックメーカー「コーラル」の28日段階の予想では、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の同時受賞が一番人気だった。

■文学賞は見送り、来年発表

ノーベル文学賞は昨年、長崎生まれの英国人作家であるカズオ・イシグロ氏(63)が受賞。日本出身の作家としては1968年の川端康成、94年の大江健三郎氏に続く3人目、23年ぶりの快挙に国内は沸いた。

代表作「日の名残り」や「わたしを離さないで」など早川書房が刊行するイシグロ氏の既刊8作品は軒並み品薄となり、受賞決定後の10日足らずで100万部以上が増刷された。

出版関係者は「不況にあえぐ出版界では久々の明るいニュースだった」と振り返る。イシグロ氏自身も今春の外国人叙勲で、旭日重光章を受章している。

ただ、今年の文学賞については、選考主体のスウェーデン・アカデミーが、関係者による性的暴行やセクハラ疑惑などを理由に発表を見送ることをすでに決めている。今年の受賞者は来年の受賞者と同時に発表されるという。

文学賞で受賞者が決まらないのは1949年以来で、スキャンダルによる見送りは極めて異例。世界最高峰の文学賞の権威は大きく傷ついており、信頼回復には時間がかかりそうだ。

一方、文学賞の発表見送りに抗議して、スウェーデンの文化人らが今年限定で代替となる新しい文学賞を創設。ノーベル文学賞の有力候補との呼び声も高い世界的な人気作家、村上春樹さん(69)が最終候補の4人に入った。ただ、村上さんは「執筆に専念したい」などとして賞の選考主体「ニュー・アカデミー」に候補を辞退する意向を伝えた。
産経ニュースより

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