東京都の小池百合子知事は30日、小笠原諸島(小笠原村)の父島で開かれた記念式典で空港建設に触れ、「千メートル以下の滑走路で運航可能な機材について財政負担も含めた調査・分析を指示した」と述べた。空港建設をめぐってはこれまで1200メートル規模の滑走路案が検討されているが、環境への配慮からさらに短い想定が可能か分析を進める。
式典終了後、小池氏は報道陣に「(小笠原諸島は)世界自然遺産の地で自然を改変するのは最小限にしていかなければいけない」と語った。
小笠原諸島は、約6日に1度の定期船で片道約24時間かける海路が本土と結ぶ唯一の交通手段。このため、島内で処置できない急患が発生した際、空港がないために本土にすぐ搬送できないなど、航空路の確保は悲願とされてきた。
昨年7月には、航空路に関する協議会が約7年ぶりに開催された上に、都が今年度予算で航空路調査費として前年度比1千万円増の1億2千万円を計上。小池氏はこれまでも空港建設に関し前向きな姿勢を示してきた。
現在、検討されているのは、父島西部の洲崎地区に定員50人程度のプロペラ機が離着陸できる空港で、滑走路は1200メートル規模。ただ、滑走路の一部が海に突出しており、近くの峠を最大約80メートル低くする必要があるなど、環境への影響を指摘する声もある。
今回の小池氏の指示は、さらなる環境影響低減を目指すものだが、検討対象の機体は開発中のものも含まれるとみられ、不確定要素が多そうだ。小池氏も実現性について「技術革新はめざましいスピードで行われている。そういったことも兼ね合わせて検討を進める」としている。一方、今後のスケジュールについては明言を避けた。産経ニュースより
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2018年7月1日日曜日
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