2017年9月16日土曜日

未払い受信料請求訴訟「脅しのようだ」「不信感につながる」

NHK経営委員会が各地で開催している「視聴者のみなさまと語る会」が16日、福島市で開かれ、上田良一会長が1月の着任後、会長として初めて出席した。抽選で選ばれて参加した視聴者35人の一部からは、NHKが未払い世帯に対し、各地で起こしている受信料請求訴訟について、「脅しのようだ」「不信感につながる」といった厳しい意見が出され、上田会長が説明に追われる場面も目立った。

「見せしめのようだ!」

語る会は、NHK経営委の主催。委員のほか、同局の会長や副会長、理事ら執行部も出席し、各地で毎年6回以上実施されている。

受信料の徴収についてNHKはホームページなどで、「ご契約いただけない場合の最後の方法として、受信契約の締結や受信料の支払いを求める民事訴訟を実施しています」などと説明。最近は各地で徴収を強化しており、福島県でも今月12日、5件の請求訴訟を提起したばかりだった。

同局によると、訴訟は同県も含め21都道府県で270件に上る。うち136件は支払いに応じたため、訴えを取り下げている。残りの58件は和解し、54件で請求を認める判決が確定、22件は係争中という。

徴収対策の強化が奏功し、NHKの平成28年度末の受信料の支払率(推計値)は全国平均で過去最高の78・2%に上昇。上田会長はこの日、「未払いを黙認することは公平性に反するとの見方もある。公平負担徹底のため手続きをとっている」と理解を求めた。

しかし、会場からは訴訟について、「脅しや見せしめのようだ」などと批判的な発言が目立った。

「同時配信でも受信料取るの?」

また、別の視聴者からは、NHKが31年の開始を目指すテレビ放送とインターネットの「常時同時配信」について、「受信料を徴収する予定はあるのか」との質問も出た。

「常時同時配信」をめぐっては、上田会長の諮問機関「NHK受信料制度等検討委員会」が7月、テレビを持たずネットのみで番組を視聴する世帯から新たに受信料を徴収することに「合理性がある」とする答申を提出している。ただし答申では、すでにテレビの受信契約を結んでいる世帯には追加負担を求めないとの考えも示されている。

それでもネット上などでは、視聴者から「押しつけだ」「家計の負担が増える」などと反対の声が上がっており、上田会長はこの日、「少なくとも現段階では、受信契約を締結して、追加的に受信料をちょうだいすることは考えていません」と対応していた。

「他県の地震速報にイラッとする」

一方、NHKの放送内容にも言及。東日本大震災関連の番組について福島放送局の鈴木仁局長は「伝え続けることが必要」と記憶の風化を懸念。そのうえで「震災に伴う問題だけを指摘するのではなく、前向きな動きも、県内はもとより全国、海外に伝えたい」と、復興にもフォーカスした番組作りを強化する考えを示した。

またラジオを聴取しているという参加者からは、「放送途中で、他県の地震などの速報が入る。大事なのは分かるが、空気を読めないタイミングのときもあり、イラッとすることがある」という発言も。鈴木局長は「多くの方の暮らしと命を守る観点からやっていることなので、ご理解いただければ」と説明した。司会を務めた同放送局の山田賢治アナウンサーも「(地震速報などを)タイミング良く入れるようにアナウンサーたちにも伝えたい」と話した。

語る会は予定通り約2時間で終了。上田会長は「勉強になった。これからも参加して、視聴者の意見を今後に生かしていきたい」と話していた。   産経ニュースより

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