2017年9月29日金曜日

金正恩はトランプより恐い “北の聖地”白頭山噴火に現実味

北朝鮮北西部、中国との国境地帯に位置する標高2744メートルの白頭山。946年の噴火以降は、おとなしくしていたが、現在はいつ噴火を起こしてもおかしくない状況だという。それなのに金正恩はあろうことか、白頭山からわずか120キロの豊渓里で核実験を行っているのである。

白頭山は正恩の父・正日の出生地とされ、北朝鮮で信仰の対象になっている“聖なる山”だ。有史最大級といわれる946年の噴火では、1000キロ以上離れた北海道や東北でも5センチ程度の火山灰が降ったというから、いざ噴火すれば北朝鮮本国に与えるダメージは想像を絶する。

立命館大・環太平洋文明研究センターの高橋学教授(災害リスクマネジメント)が言う。

「M9.0の2011年の東日本大震災以降、太平洋プレートが西に向けて移動を加速させています。白頭山のあるユーラシアプレートにぶつかると、プレートが溶解し、マグマになるのですが、白頭山の下部でマグマが量産されているのです。白頭山の噴火はいつ起こっても不思議ではありません」


■この数年間で火山性地震が激増

噴火の兆候もある。白頭山では02年から05年に群発地震が発生し、山頂が隆起した。また、ここ数年間では、山頂にあるカルデラ湖「天池」で火山性地震が激増。周辺の温泉の温度上昇を起こしている。

気がかりなのが、北の核実験だ。今月3日の6回目の核実験はM6.1の地震を引き起こした。近くでの大地震は白頭山に影響を与えないのか。韓国の専門家からは噴火を誘発する可能性を指摘する声も上がる。

「火山の噴火は核爆弾数100個分以上の爆発規模です。北が行う核実験の揺れなど小さなものです。平時であれば全く影響しません。ただ、現在の白頭山の緊迫した状況を考えると、他の要因なども加わって、核実験が噴火の背中を押すことがないとは言い切れません。世界中が白頭山の動きを注視し、各国の調査団が頻繁に調査を行っています。そのすぐ横で、金正恩は核実験を強行しているのです。愚かな行為だと思います」(高橋教授)

金正恩にとって、トランプの脅威をはるかに上回る白頭山の大噴火。このまま蛮行を繰り返すと“聖なる山”が怒りかねない。   日刊ゲンダイより

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