2017年9月29日金曜日

米国新型核爆弾「B61-12」の殺傷力が史上最悪すぎる

2017年8月8日、米国ネバダ州のネリス空軍基地からF-15戦闘爆撃機が飛び立った。B61核爆弾の改良バージョンであるB61-12核爆弾の開発試験のためである。このB61-12だが、開発段階から数々の物議を醸している、まさにいわく付きの核爆弾である。

トランプ政権発足以来、B61-12の開発スピードに拍車がかかっており、各界の専門家が警鐘を鳴らし続けている。何かとキナ臭い話がはびこる昨今の世界情勢だが、その原因のひとつに間違いなくB61-12の開発が挙げられるだろう。今回はこの悪魔的な性能を持つ核兵器について紹介したい。

■オバマは核なき世界を掲げたが

そもそも、2009年、核なき世界を訴えたオバマ大統領(当時)がノーベル平和賞を受賞したのが記憶に新しいのではないだろうか。にもかかわらず、米国は史上最悪と評されるこの核爆弾を開発・製造しようとしている。これはいったいどういう了見だろうか。ホワイトハウスとペンタゴンの言い分はこうだ。

「B61-12はB-61の単なるアップグレードである」と。もう、メチャクチャである。まさに“無理を通せば道理が引っ込む”だ。世界最強の大国が、こんな理屈にもならない理屈を引っ提げてでも、開発・量産をもくろむB61-12とは果たしてどんな兵器なのだろうか。
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 「Mother Jones」の記事より
■史上最悪の核兵器は史上最高の精度を誇っていた!

B61-12はこれまでに生産された最も危険な核兵器といわれている。その理由として真っ先に挙げられるのは、この兵器の持つ驚異的な精度である。

現存する米国の核爆弾は、CEP(平均誤差半径)が110~170mであるのに対して、B61-12のCEPはわずか30mだ。この精度を担保しているのは、GPS、レーザー誘導機能、そしてB61-12自体に備え付けられた垂直尾翼だ。この尾翼によりB61-12はまるで飛行機のように自身の飛行経路を修正しながらターゲットへと正確に接近し、着弾する。

一般的に、兵器の精度が2倍になれば威力が8倍になったのと同等の殺傷力を得られるという。つまり、精度が2倍に上がれば、兵器自体の火力は1/8に下げても、精度が上がる前と同等の殺傷能力を確保することができることになる。

B61-12は史上最も殺傷性の高い兵器と謳われているが、それ自体の持つ核出力(核爆弾の威力)は特筆すべきものはない。その必要はないからである。B61-12はその驚異的な精度により、確実にターゲットを撃滅する。
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 「Daily Mail」の記事より
■今後は核兵器の使用が現実的な選択に入る
 
B61-12は、TNT爆弾300トン~5000トン分相当の核出力の間で調整可能だ。TNT爆弾300トン相当というと、かつて米軍により広島に投下された「リトルボーイ」の約2%の核出力である。
 
米ジョージタウン大学のキアー・リーバー氏と同ダートマス大学のダリル・プレス氏によるシミュレーションによると、米軍が中国のICBMサイロ(大陸間弾道ミサイルを格納する建築物)に対して既存の核兵器を用いて攻撃を試みた場合、300万人~400万人の犠牲者が予想されるという。
 
一方、B61-12のような低威力の兵器が使用された場合は、わずか700人の犠牲者しか予想されていない。これは実に恐るべきことで、1940年代以来、私たちは初めて、核兵器が現実的に、そして“カジュアルに”攻撃選択肢に入る世の中に突入しつつあることを意味しているのだ!
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 「Daily Mail」の記事より
昨年トランプ政権が発足して以来、米国の軍事予算は上がる一方でとどまるところを知らない。B61-12が物議をかもした理由の一つにその超高額な開発費用があったが、もはやその障壁も完全に取り払われてしまったようだ。現在も米国は2020年3月の初回生産を目標に着々とこの悪魔的兵器の研究・開発を進めている。  トカナより

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