韓国の女性家族省が慰安婦の追悼碑を設置する計画を発表した。慰安婦問題を蒸し返そうとする反日運動を、あろうことか政府が助長する。日韓関係を損ねることは目に見えていよう。
鄭鉉栢(チョン・ヒョンベク)女性家族相は「多様な歴史記録を後世に残し、女性の人権に対する正しい歴史認識を打ち立てていく」と述べたが、これにも耳を疑った。
旧日本軍が「強制連行」したなどとする韓国側の主張に根拠はない。「多様な」歴史とは、嘘を交えたものを指すのだろうか。
愚かな計画を、文在寅大統領は直ちにやめさせるべきである。
碑の設置場所は、韓国中部にある国立墓地「望郷の丘」だ。朝鮮半島で女性を強制連行したと偽証した故吉田清治氏が謝罪碑を建てた場所としても知られている。追悼碑は年内に完成し、来年6月に除幕式を行うという。
慰安婦問題では吉田証言は嘘だと分かり、「強制連行説」は破綻した。しかし「自由が奪われた」などと議論をすり替え、日本への不当な非難が続けられている。
看過できないのは、慰安婦を「性奴隷」などと呼び、日本の名誉を著しく傷付けていることだ。歴史の捏造(ねつぞう)に等しい。
北朝鮮が核・ミサイルの挑発を繰り返す中、日米韓は首脳会談を行うなど連携を確認したばかりだ。政府主導の慰安婦追悼碑の設置は初めてだというが、それが手柄だとでも考えているのか。
韓国では日本公館前への徴用工像の設置計画をめぐり、主要紙が社説で対日関係の悪化を懸念して自制を呼びかけるなど、冷静な意見も出ている。「反日」で政府が巻き返しを図ろうとしている。
文政権は、安全保障や経済問題と、歴史問題は別だと説明してきた。嘘で両国関係を悪化させるのは緊密な意思疎通を妨げる。
地域の安全保障環境を考えても、日韓関係の改善が欠かせないとして、慰安婦問題の最終的かつ不可逆的な解決をうたった日韓合意が一昨年末に交わされた。
だが、在外公館の安寧と尊厳を守る国際条約を無視し、ソウルの日本大使館前や釜山の総領事館前の慰安婦像はいまだに撤去されていない。国際法や国どうしの約束を守る意味を、自国民に説くことが先決であろう。 産経ニュースより
0 件のコメント:
コメントを投稿