2017年9月26日、中国新聞週刊は日本における出産環境について紹介するコラムを掲載した。文章の作者は神奈川県の聖マリアンナ医科大学病院の産婦人科医・朱丞華(ジュー・ジョンホア)さん。
文章は「日本は計画出産政策のない国であり、経産婦の割合が非常に多い。初産の割合が多い中国よりも、出産におけるリスクが低い」としたうえで、日本の出産事情について以下のように説明している。
全国の半数以上は私立病院で、激しい競争が繰り広げられており、各病院が特色を打ち出して妊婦を呼び込んでいる。妊婦は家からの距離、無痛分娩技術の有無、帝王切開の可否、出産環境などを考え、経済力と好みに合った医療機関を選ぶ。
日本には助産師だけがいる助産院もある。日本ならではと言える助産院は自然な分娩を理念としており、快適な環境における妊婦の出産体験を重視している。お金はかかるが、助産師を自宅に呼んで出産することも可能。もちろん出産リスクの高い妊産婦は大きな病院で出産する必要があり、病院の産科における帝王切開率は高くなる。出生率が世界最低レベルの日本では、出産奨励のために妊産婦への補助を行っている。出産育児一時金は全国統一の42万円で、ほとんどのケースで出産費用が賄える額だ。帝王切開でも、流産だったとしても受給できる。
日本社会は自然分娩を良しとしている。陣痛を経験しない女性は母親として不合格という伝統的な観念によるものだが、帝王切開で出産した母親は劣等感を抱きがちで、民間には自助組織も存在する。また、必要性のない帝王切開には健康保険が適用されないため、日本の病院は簡単には帝王切開手術を行わない。自然分娩では医師もさることながら、助産師の存在が重要だ。助産師は多くの時間を妊産婦との交流に費やし、その感情の変化に気を配りながら、出産に向けて大いに励ます。これは陣痛を和らげるだけでなく、心理的な支えにもなる。
これは日本と中国の病院における最大の違いだと感じている。日本の医療スタッフは、病気を診ることだけではなく、患者を正常な社会生活に復帰させるところまでを職責だと考えている。そのため、日本の病院は患者の生活のあらゆる面をケアする。こうした環境に身を置いていると、社会の文明レベルは病院や病室といったハード面よりも、むしろ人情や思いやりといった点に現れるということに容易に気付くのである。
レコードチャイナより
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2017年9月28日木曜日
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