■ピラミッドに使われた巨石の運搬方法が判明!
発見された日記「Ancient Code」より引用
一般にピラミッド建造に使われた巨石はギザ大地から500マイル(約804km)離れたルクソールから運ばれたとされているが、一体どのようにしてそれほどの長距離を運搬したのかについては分かっていないかった。しかしこの度、ピラミッド建設時の監督官がパピルス紙に書いた日記が紅海のワディ・アル・ジャルフ地域で発見されたことで、古代エジプト人がナイル川を利用して巨石を運搬していたことが、今月24日に英国で放送されたドキュメンタリー番組「Egypt’s Great Pyramid: The New Evidence」で明らかになったのだ。
ピラミッドの重量は約650万トン(スカイツリーは約4万1千トン)「Ancient Code」より引用
発見された日記はMererと呼ばれる監督官が書いたものとされ、ピラミッド建設に関する当時の文書としては唯一のものだという。それによると、彼は40人のエリート作業員とともにナイル川からピラミッドまで巨大な水路を掘ったと書かれているとのことだ。ピラミッド建造の謎に取り組んできた考古学者のマーク・レーナー氏によると、現在もギザ台地の地下には水路が埋もれており、当時は木製のボートを使って、巨石がピラミッド付近まで運ばれたという。だが発見された日記には、巨石の積み上げ方に関する記述はなく、これについての謎は残るとのことだ。
■建設会社社長が提唱する「ウォーター・シャフト理論」
画像は「nzherald」より引用
だが、以前トカナでもご紹介した、英国アッシュボーンの建設会社社長クリス・マッシー氏が提唱する「ウォーター・シャフト理論」であれば、その謎もナイル川の利用から解明できる。従来の説では、ピラミッドに石材を積み上げるにあたって、日乾し煉瓦と土などで作業用の傾斜路が作られ、その斜面をソリで運び上げられたとする「傾斜路説」や、地面に並べた丸太の上で石材を運搬したとする「ローラー説」が有力だったが、マッシー氏によると、これらの方法は現実的に不可能であり、現場目線に立って現実的に可能な方法はナイル川の利用しかないというのである。
具体的には、当時、ワインや水などの容器として使われていた動物の皮を空気で膨らませれば浮力材になる。それらを浮力のあるパピルスとともに石材にくくりつつければ、労力をそれほど使わずナイル川にそって材料を運ぶことができるというわけだ。
今回研究者らが答えられなかった巨石の積み上げに関しても、「水路トンネル」と「水門式の扉」で水流を調整することで、浮力を使ってピラミッドの上部まで石材を運ぶことができるとし、自ら行った実験動画も公開している。
この度、水路の存在が明らかになったことで、これまであまり省みられることがなかった「ウォーター・シャフト理論」が一気に現実味を帯びてきたといえるだろう。ピラミッドの謎が明らかにされる日もそう遠くないかもしれない。今後の研究にさらに期待したい。 トカナより
0 件のコメント:
コメントを投稿