2017年9月22日金曜日

北の「水爆」発言 米、人的被害あれば報復軍事攻撃に傾斜

トランプ米政権は、北朝鮮が「太平洋上での水爆実験」に踏み切る事態となれば、態度を一層硬化させるのは確実だ。核爆発により大気中に放出された放射性物資が米国に被害を与える事態が引き起こされた場合、トランプ政権は報復軍事攻撃の選択肢に一気に傾斜する可能性が高い。
 
米国防総省および情報機関は、北朝鮮外相による「水爆実験」発言を受け、北朝鮮国内での弾道ミサイル発射の兆候について監視態勢を強化。同時に発言がどこまで「本気」であるのか情報収集を急ぐ。
 
北朝鮮の水爆が太平洋上で150キロトン前後の威力の水爆を爆発させたと仮定した場合、爆心地から半径約3・7キロ前後を航行中の船舶や航空機は熱線や爆風により一瞬で消し飛ぶ。また「死の灰」が周辺海域を広範囲にわたって汚染し、被爆による人的被害が発生する恐れは十分にある。
 
水爆が高空で爆破された場合は電磁パルス(EMP)により米国や環太平洋諸国の社会インフラが打撃を受ける事態も想定される。
 
ヘイリー国連大使は「水爆」発言がある前の21日、「米国は戦争は望んでいない」と指摘しつつ、「われわれがおびえて逃げ去ることはない。もし北朝鮮が米国や同盟国を攻撃した場合は反撃する」と断言し、報復軍事攻撃を実行する構えを鮮明に打ち出した。

水爆実験で米国人に犠牲が出る事態となれば、米国内で報復攻撃や金正恩体制の転覆を求める声が一気に高まる公算は大きい。
 
問題は、米国および日韓など同盟諸国がただちに北朝鮮との戦いに踏み切れる状況にあるかどうかだ。
 
トランプ大統領は今回の国連総会で、対北朝鮮で国際社会をかなりの程度まで結集させることに成功した。同時に、北朝鮮問題を手がかりに「紛争の平和的解決」という国連本来の理念を再活性化。国連安全保障理事会の北朝鮮制裁決議などを通じた平和的圧力で北朝鮮に核放棄を迫る強固な態勢を構築しつつある。
 
しかし、一連の動きは同時に、仮に有事となった場合の態勢を整えるための時間を確保する狙いも込められている。マティス国防長官は「米国はいつでも北朝鮮を攻撃する準備ができている」と強調する。ただ、米政権は「金体制崩壊」を前提とした戦後統治や戦災復興の計画に関しては策定が完了していないとの見方が強く、今の時点でなし崩し的に北朝鮮との戦いに突入するのは可能な限り避けたいのが本音とみられる。 産経ニュースより

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