2011年8月12日金曜日

ベトナム枯れ葉剤50年-3

6月19日、ダナン空港で残留ダイオキシンの除染作業が始まりました。ベトナム政府と米国国際開発局の共同事業です。基準は300~400倍に達するダイオキシンを高熱で分解する計画。現在は本格的作業の準備のために不発弾、地雷の除去作業行われています。
ベトナム側責任者を務めるレ・ケ・ソン天然資源環境省環境行政局長は、「2014年までに完了させたい。米国はダナンの作業3400万ドルを出す予定だが、他の汚染地域の除染作業を考えれば、全く足りない」と話します。

米政府は枯れ葉剤被害者への補償には応じていません。ダナン市の障害者支援への協力も「障害の原因に関係なく行っている」(米国務省東アジア・太平洋局)としており、被害者への補償ではないとの立場です。
ベトナム外務省は米州局のレ・チーズン副局長は「1995年の国交正常化の際にベトナム側は、米国の枯れ葉剤被害者の克服を支援する責任があると提起した。ダイオキシン除染への支援には感謝するが、必要な支援はもっと多い」と強調します。
「ベトナム枯れ葉剤被害者の会」のグエン・バン・リン会長も「被害者は不満を抱いている。わずかな支援しかない米政府は被害者の苦しみに関心がないのだ、と受け止めている」と言います。

2004年1月、ベトナム人被害者が、枯れ葉剤を製造したモンサント社、ダウ・ケミカル社に対して補償を求める訴訟を米ニューヨーク州で起こしました。09年3月に米連邦最高裁は、製薬会社の責任や、枯れ葉剤と健康被害の関係を認めない下級審を支持。補償は実現しませんでした。
原告代理人だったベトナム弁護士協会のルー・バン・ダット元会長は、「我々は敗訴しなかった」と言います。
「提訴の後、被害者は米議会の公聴会に招かれた。米政府と議会を動かし、ダイオキシン除染への援助などの支援に結びつけた。米国の民間団体が次々に支援に乗り出し、国際社会の関心も高まった。米国の司法は前進しなかったが、行政と立法は大きく変わった」
昨年10月、ハノイを訪問したクリントン米国務長官は、ファム・ザー・キエム外相との会談で、米政府には枯れ葉剤被害者に対する責任があることを認める発言をしたと言います。
労働・傷病軍人・社会事業省で枯れ葉剤被害者支援を担当するタ・バン・ティエウ国家有功者局副局長は、ベトナム戦争に参戦し多くの友人を失いました。枯れ葉剤被害者に苦しむ友人もいます。
「米政府は責任を回避している。私のような元兵士は怒りを消せないでいる。世代が変わっても、枯れ葉剤被害者の実態を知れば、その怒りは無くならないだろう。(新聞報道より)

ベトナムの撒かれた枯れ葉剤は、第2世代、第3世代と引き継がれています。枯れ葉剤の被害がいつ収束するかわからない。米国は速やかに枯れ葉剤被害者への補償を早急にすべきである。米国人の枯れ葉剤を浴びた被害者には補償をしているではないか。猛毒のダイオキシンを大量に散布し、それで、責任はないというのは泥棒が泥棒に会うのと同じではないか。ダイオキシンによってDNAに傷がつきそれが次の世代に引き継がれていく、本当に非人間的な兵器である。日本は原爆を2発も落とされ多くの死者・放射能被害をいまだに引きずっているのが現実である。米国は日本に原爆を落とした被害者への補償をすべきではなか。弱腰の日本政府はそんなことは口が裂けても言えないだろう。福島原発も放射能を出し続けている。歴史は繰り返すというか、過去の教訓を学びそれを生かしていくのが、人間だけが出来る事ではないのか、改めて人間の愚かさを嫌というほど感じることはない。

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