ベトナム政府が行っている枯れ葉剤被害者への支援は、本人の経歴や生活水準などによって異なります。北ベトナム軍や南ベトナム解放戦線の兵士だった被害者約20万人には、最高で月額200万ドン(約7600円)が支給されています。元兵士でない場合は、障害の重さ、家族の収入などを考慮して支給額を決めるといいます。
政府の支援金を受けている被害者の総数は150万人、予算は20兆ドンに達し、国家予算の約3%になります。
ダナン市に住むホアン・ティ・テーさん(74)は、6年前に亡くなった夫が兵士として参戦し枯れ葉剤を浴びました。35歳の娘は脳に障害があり、職に就くことは出来ません。33歳の息子は話すことも動くことも出来ません。政府から支援金は月々、テーさんには80万ドン、娘に40万ドン、息子に60万ドン、計180万ドンです。本人と娘、息子の医療費を払い、食費を切り詰めて、燃料は隣人が取ってきてくれる巻きを使います。
テーさんは「もう私一人で世話をするのは限界だ。「どこかの施設に預けたい」同じダナンしのグエン・ティーレ・フエンさん(58)には、28歳になる寝たきりの長女がいます。フエンさんの夫は、ザル、かごを作る竹を山で取るのが仕事でした。いつもは行っていた山が、枯れ葉剤の散布地域でした。政府の支援は毎月41万ドン、このほか、長女の兄弟は中学、高校の学費は免除されました。
ホーチミン市に住むマイ・ザン・ブーさん(73)は、南ベトナムの空軍兵士として1971年から1972年まで、米軍とともに枯れ葉剤散布に直接参加しました。70年、73年、75年に生まれた3人の息子は、皆成長するにつれ歩行困難や脳障害、身体に麻痺に侵され、次々と亡くなりました。息子の医療費がかさんで、今でも銀行に約1億くドンの借金を抱えています。生活の支えは、同居する2人の娘の収入です。ブーさんは一度、政府に支援を申請したことがありますが、認められませんでした。理由は「まだ解放戦線兵士の被害者の内半数しか支援できていない。また、あなたは戦線の向こう側の人だった。もうしばらく待って欲しい」という趣旨だったといいます。
現在は元南ベトナム兵士にも支援がありますが、ブーさんの場合は、すでに重度の被害者である子どもが亡くなっていることもあり、支援の対象にならないといいます。
「ベトナム政府だけが支援するのは限界がある。資金も、医療品も、医療技術も、国際的な支援がなければ苦しんでいる被害者を救えない」
ベトナム赤十字社が1998年に設立した枯れ葉剤被害者基金には、これまでに義援金と物資合わせて約8000億ドン相当の支援が寄せられました。レ・ザー・ティエン代表は、「2006年以降、国外から支援が減っている。国際的なキャンペーンを広げないと、被害者支援に影響が出る」と危機感を強めています。(新聞報道より)
私もホーチミンある、ツーヅー病院へは何回か訪問させていただき、枯れ葉剤の被害を受けた子どもたちを合うことが出来ました。ツーヅー病院は産婦人科の病院で、障害の新生児が生まれると、その子を育てるだけの余裕がないので、病院内に置き去りにしてしまうという話を聞きました。
一番の問題は、資金がないことだそうです。日本円で1000円は日本国内ではそれほど紙幣価値はないに等しいですが、ベトナムでは大金です。出来れば、年に1回でもいいので、寄付をしていただくと被害者は救われると思います。私もベトナムに行くと必ず幾ばくかの寄付をして帰国します。
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2011年8月12日金曜日
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