2018年12月4日火曜日

旭日旗は大漁旗、出産、節句の祝い旗など広い意味合いで使用

韓国で旭日旗に反発する世論が高まっている。11月にスペインの大学で開かれた映画祭では、旭日旗をあしらった公式ポスターに韓国学生らの抗議が殺到し、デザイン変更が迫られる事態に陥った。大学側は「戦時中の日本軍の犯罪を擁護しているように見えると指摘があった」と説明するが、そもそも旭日旗とはどんな旗なのだろうか。
抗議受け図案変更
 
「韓国をばかにしている」「旭日旗はナチスの旗と同じだ」

韓国のインターネット上でこうした批判が展開されたのは、11月14~22日に開かれたスペイン南部にあるマラガ大の「ファンシネ・ファンタスティック映画祭」の公式ポスター。公表されると、大学には韓国の学生らから「第二次大戦中の旧日本軍の犯罪や軍国主義を擁護しているように見える」と抗議が殺到した。

ポスターは、映画祭のテーマ「アジア」にあわせて同大学の教員がデザイン。旭日旗を背景に、赤い本を持った招き猫が中央に置かれ、その下には大勢の軍人が描かれている。

取材に対し、大学側の主催者から「質問については映画祭ホームページ(HP)に発表している声明文が全て」との回答が寄せられた。

HPによると、共産主義国のプロパガンダを作風に取り入れながら、アジアを想起させるものとして旭日旗や招き猫のイラストを採用。かつての中国でみられた毛沢東を称賛するポスターをイメージした。だが、抗議を受け、主催者は「人々を傷つけたのなら謝罪する」として、旭日旗を削除した図案に変更した。
 
海自の自衛艦旗

旭日旗といえば「先の大戦」「旧日本軍」という印象があるが、その歴史は古い。思想を超えて旗を学術的に研究する「日本旗章学協会」によると、明治初期に陸軍旗として考案され、海軍も採用したという歴史がある。

敗戦後、当時の吉田茂首相が「世界中でこの旗を知らない国はない。どの海に行っても日本の旗だと分かる」として、海上自衛隊の自衛艦旗として採用。海自は「旗の使用は自衛隊法で定められており、問題ない」としている。

同協会事務局も「軍などで使う旗は自国で決めるもので、ふつう他国は異議を唱えない」とした上で「旭日旗は日本が開戦に向かう前からある旗で、ナチスが政治的な主張をするための象徴として作った『かぎ十字』を記した旗とは性質が異なる」と指摘する。

旭日旗は陸軍の旗として誕生したが、「朝日をかたどった図案が美しく、おめでたいイメージがある。戦前から大漁旗、出産、節句の祝い旗など広い意味合いで使用され、現在までその風習は続いている」と説明。さまざまな意味を持つ旗だということがわかる。
 
反日あおる活動家

ただ、旭日旗をめぐっては、韓国を中心にたびたび批判が起きている。10月にも韓国が開催した国際観艦式で、韓国側が自衛艦旗の掲揚自粛を求めてきたため、日本政府は海上自衛隊護衛艦の派遣を見送った。

日韓関係に詳しい拓殖大の下條正男教授(日本史)は、数年前から旭日旗に対する批判が激化しており、背景に反日感情をあおる活動家がいると指摘。「韓国では歴史問題を海外に広報する動きが強くなっている。日本は毅然とした態度で自分たちの意見を正確に伝える必要がある」と話している。産経ニュースより

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