2018年12月21日金曜日

米マティス国防長官 来年2月で辞任へ

アメリカのトランプ大統領は20日、ツイッターでマティス国防長官が来年2月末に辞任すると明らかにしました。国際協調を重視してきたマティス長官の辞任によって、アメリカの今後の安全保障政策に大きな影響が出ることも予想されます。

トランプ大統領は20日、ツイッターで「マティス長官の在任中は、新しい装備品を購入するなど、非常に大きな進歩があったが、まもなく新しい国防長官を指名する」として、マティス国防長官が来年2月末に辞任すると明らかにしました。

マティス長官をめぐっては、イラン核合意からの離脱や、宇宙軍の創設などに関してトランプ大統領との間で意見の隔たりがあったとされ、トランプ大統領がマティス長官の意見を無視する形で決定を下したことで関係が悪化したと見られていました。

さらに19日に発表された中東のシリアからのアメリカ軍の撤退についてもトランプ大統領はマティス長官の反対を押し切る形で決めたと伝えられ、辞任するという観測が強まっていました。

マティス長官は20日、トランプ大統領に宛てた書簡のなかで「あなたは安全保障上の懸案について私以上に価値観を共有する人物を国防長官に指名する権限があり、私は辞任することが適切だと判断した」として、みずからの意思で来年2月28日に辞任することを明らかにしました。

トランプ大統領は中間選挙以降、政権幹部の刷新を進めていますが、マティス長官は政権の発足当初から要職にあった数少ない存在で政権内だけでなく、党派を問わず、多くの政治家や専門家から高い評価を受け「最後のとりで」とも呼ばれていました。

日本を含む同盟国との関係を重視し、国際協調に重きを置いてきたマティス長官の辞任によって、アメリカの今後の安全保障政策に大きな影響が出ることも予想されます。
 
マティス国防長官の書簡「価値観共有の人物指名を」
 
アメリカの国防総省は20日、トランプ大統領に宛てられたマティス国防長官の書簡を公表しました。

この中でマティス長官は、「独裁的な世界観を目指す中国やロシアなど、戦略的な利害がアメリカとぶつかり合う国々に対しては、きぜんとした態度をとるべきだと私は信じている。一方で、アメリカは同盟国と連帯することで国際秩序を発展させるためのあらゆる努力を惜しむべきではない」と述べ、従来からの軍事的な脅威に厳しい姿勢で臨む一方で、同盟国に対しては敬意を示すべきだというみずからの考えを説明しました。

そのうえでマティス長官は、「あなたには、こうした懸案をめぐって私以上に価値観を共有する人物を国防長官に指名する権限があり、私は辞任することが適切だと判断した」と述べ、安全保障をめぐる価値観をトランプ大統領と共有する人物にポストを譲るため、来年2月28日に辞任する意向を伝えました。
 
防衛省幹部「驚いた 後任人事を注視」
 
防衛省の幹部は21日朝、NHKの取材に対し「驚いた。マティス国防長官は、世界の安全保障関係者から敬意を集め、日本ともよい関係を築いていた。来月中旬に、日米防衛相会談を検討していたが、どうするのか調整が必要だし、後任人事など、
今後の状況を注視したい」と述べました。NHK NEWS WEBより

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