2018年12月24日月曜日

「日本行き」を公言できない…韓国社会の「壁」

「もし日本での就職が決まったら、自慢したいけど韓国ではできない。批判する人がいるから」
 
今年4月から半年間、福岡県内の温泉旅館で仲居として働いた金守晋(キム・スジン、23)はそう嘆いた。今春、ソウルの短期大学日本語学科を卒業した金は、就業ビザを取得して日本で就業経験を積み、母国へ戻って日本の就職先を探している。

日本へ向かう、金のような若者の行く手を阻む「壁」が韓国社会にはいくつも存在する。

金の場合、最初は青果卸売会社に勤める父親(54)と在宅介護の仕事に就く母親(54)だった。両親は日本人に会ったことがない。慰安婦問題やいわゆる徴用工問題が取り上げられると、「なぜ日本は被害者にきちんと謝らないのか」とため息をついた。

韓国では、小学生から、島根県隠岐の島町の竹島(韓国名・独島=ドクト)を「日本が一方的に領土に編入した」と学び、高学年になれば慰安婦問題も学ぶ。その上、世論は反日報道で形成される。歴史問題で日本に理解を示すことを許さない、そうした空気のなかで、両親は育っていた。

■過去は清算
《両首脳は、20世紀の日韓関係を締めくくり》
 
20年前の日韓パートナーシップ宣言はこううたい、当時の大統領、金大中(キム・デジュン)は「これで日本との過去は清算された」と断言した。だが、本当にそうだろうか。若い世代にも「反日」の傾向は依然残る。

金守晋によると、高校や大学でも「日本へ旅行に行く人は、自国の歴史を学ばない人だ」と断じる友人がいた。自身は「日本に就職したいと思う自分が韓国の歴史を語る資格はないかもしれない」と感じていた。

■謝ってほしい

韓国外国語大の日本語学科3年の丁多映(チョン・ダヨン、21)は11月、両親らと日本旅行に出かけ、大阪・道頓堀のグリコ看板を背に写真を撮って写真共有アプリのインスタグラムにアップした。

「休みのたびに日本に行く友人もいる。みんなのインスタグラムをみると、私も行ってアップしなきゃと思う」

日本の友人や旅行で出会った街の人々は親切で、安心して暮らせる国だと感じた。丁も両親も、現在の日本に悪い印象を抱いているわけではない。それでも歴史問題となると、韓国人として敏感な反応を起こす。いわゆる徴用工問題がニュースで取り上げられると丁は「日本に謝ってほしい」と思うという。

相手を知る努力があれば、理解は進むのだ。

《自由・民主主義、市場経済という普遍的理念に立脚した協力関係を、両国国民間の広範な交流と相互理解に基づいて今後更に発展させていく》

20年前の宣言に記された関係はいつ築けるのだろうか。丁は言う。

「韓国人には民族の歴史を忘れない、という気持ちがある。でも繰り返し日本に謝罪を求めていると、日本が受け入れられないのも分かる」

若者の間に、もどかしさだけが漂う。産経ニュースより

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