2018年12月1日土曜日

中国、半導体開発で「自力更生」目指す、韓国は「経済に過酷な北風」

中国のインターネット企業と家電企業が次々と半導体分野に進出し、自主開発を加速化している。中国政府は「自力更生」方針を打ち出し、海外の技術への依存を減らすことを提唱。半導体産業が経済を支える韓国は「過酷な北風が吹き付けるかもしれない」と危機感をあらわにしている。

中国は世界最大の半導体市場だ。中国メディアによると、金額で計算すると世界の4割を占める。しかし、自給率はわずか1割前後とされており、2017年の半導体の輸入額は石油を上回る2600億ドル(約29兆3800億円)に達した。

半導体分野でよく使用されるメモリーは、韓国の
サムスン電子や米国のマイクロン・テクノロジーなどの大手企業が支配している。大規模集積回路(LSI)の開発も先進国の企業がリードし、OEM(相手先ブランドによる生産)は台湾積体電路制造(TSMC)などの台湾企業が優位に立つ。中国大陸のインターネット企業と家電企業が開発するのは自らが使用する特定用途のみで、半導体産業の一部にすぎない。

中国網によると、中国政府は半導体自給率の低下に危機感を覚え、2020年までに自給率を40%に、2025年までに70%に引き上げるという目標を掲げた。クラウドサービスの発展に力を入れる阿里巴巴(アリババ)グループの馬雲会長は、半導体分野への進出を宣言。中国の検索最大手の百度が開発した人工知能(AI)半導体「昆侖」は、クラウド端末が取得した音や画像などのビッグデータに基づいて学習し、音声識別や自動運転に活用される。

家電大手の康佳集団(コンカ)も5月に半導体科技事業部を設立した。買収についても検討し、5~10年内の売上高100億元(約1600億円)の実現を目指す。華為技術は10月、AIなどの高性能半導体チップを量産すると発表。同社の輪番CEOの徐直軍氏は、華為のチップの計算能力は米エヌビディア社を上回り世界一になると強調した。

こうした中国の動向に韓国・中央日報は「半導体にも暗雲、革新がなければ韓国経済は沈没する」との社説を掲載。「世界最大の半導体需要国である中国が『半導体崛起(くっき・抜きんでる意味)』を前面に出してサムスン電子とSKハイニックスなど半導体会社に対する寡占規制の動きを露骨に表している。ただでさえ経済展望が暗いのに半導体産業まで成長の勢いが落ちれば、来年の韓国経済に過酷な北風が吹き付けるかもしれないとの懸念の声が大きくなっている」と警鐘を鳴らした。

さらに「半導体輸出にも異常信号がともっている」と言及。「10月の半導体輸出は117億800万ドル(約1兆3000億円)で、数字上では前年同月より21.5%増えたが、今年(2018年)10月の操業日数が昨年10月より5日も多かった点を考慮すれば、半導体の1日平均輸出額はかえって4.4%減ったことが分かった」と憂色を深めた。レコードチャイナより

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